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萌えCanぱーてぃー 【開催期間】 2013年06月20(木)~ 2013年07月04日(水) 【イベント内容】 マイロイドと一緒パーティーを開きたいんだけど、色々準備が必要みたいなんだ。 一緒に最高のパーティーが開けるよう頑張ってね~♪ おもろ菓子について パーティーの準備を進めていくとおもろ菓子が手に入るよ! おもろ菓子はアイテムと交換できるし、手に入れた合計の個数でランキングと達成報酬が決められているんだじぇ~♪ 準備の流れについて パーティーの準備には決められた順番があるんだ。 混乱しないように、準備が終わったら次へ進んでね~ 買い物>料理>ケーキ>片づけ>装飾 ランクについて 準備を全て一回クリアするとAランクが貰えるよ!! もっと可愛いコスチュームが欲しかったら、クリア後に解放されるSランクやSSランクもクリアしてみてね♪ クイズについて 準備を進めているとたま~に知恵ちゃんがクイズを出題してくるよ! そのクイズに見事正解するとおもろ菓子が3~6個、不正解だと何ももらう事はできない。 トラップについて これもたま~にマイロイドが準備中に混乱しちゃう時があるみたいなんだ。 目の前の道がおかしくなっても迷わない様ように正しい道を教えてあげてね。 知恵応援について 桃まんをあげると知恵ちゃんが応援してくれるみたい。 応援の効果は10分間、手に入れるおもろ菓子の個数が3倍になって、 トラップやクイズが怖くなくなるみたいだね~ ランキングについて 手に入れたおもろ菓子の合計の個数でランキングが決められるみたいだよ。 イベントが終わったら報酬を配布するみたいだから頑張ってね♪ 最終順位によって、景品がもらえます。 順位 アイテム 画像 1~100 華麗なるセレブ、お屋敷の垣根 101~600 華麗なるセレブ 601~1000 お屋敷の垣根 1001~99999 勤勉娘5×5、交渉仙人5×5 達成報酬について おもろ菓子を集めた個数で達成報酬が貰えるみたいだよん♪ 以下の景品がもらえます。 個数 アイテム 画像 20 桃まん 75 あじさい帽子 パープル 150 ファイト!ドリンク 400 ベルベットフリル パープル 750 レッツパーティ ピンク 1150 パーティ風船 レッド 2000 ハッピーコンフェッティ レッド 3000 シルキードリーム スノーホワイト 5000 素敵な宝石ドレス レッド 7000 無料アクセガチャチケット 画像募集中! 10000 万能ディスプレー メイン 15000 クエスチョンタイム シンキングタイム 早期クリアについて 72時間以内にステージ3までクリアすると豪華な衣装をもれなくプレゼントするよ! 連動ガチャについて 萌えCanぱーてぃーはマジカルちぇんじ!第二弾ガチャと連動しているよん♪ 下記のアイテムをそれぞれ持っているだけで効果があるじぇ~! もちろん効果は重複するよ♪ つまり最大でおもろ菓子+18、歩数+18になるよん♪ アイテム 効果 画像 Ancient Magical Arc Red おもろ菓子+1 画像募集中! Ancient Magical Arc Pink おもろ菓子+1 画像募集中! バトルウィザード パープル おもろ菓子+1 バトルウィザード ブラック おもろ菓子+1 マジカルステッキ ピンク おもろ菓子+1 マジカルステッキ イエロー おもろ菓子+1 星光の法衣 おもろ菓子+2 緑光の法衣 おもろ菓子+2 禁書の使い手 氷魔 おもろ菓子+2 禁書の使い手 炎魔 おもろ菓子+2 画像募集中! 魔法図書館 夜 おもろ菓子+2 運命を繋ぐ聖宝 おもろ菓子+2 ウィズキャップ オレンジ 歩数+1 ウィズキャップ グリーン 歩数+1 フェザーチャーム ブルー 歩数+1 画像募集中! フェザーチャーム グリーン 歩数+1 画像募集中! 古代魔法発動 歩数+2 古代聖法発動 歩数+2 守護の使い 青鳥 歩数+1 画像募集中! 守護の使い 黒鳥 歩数+1 画像募集中! 襲い掛かる魔術書 歩数+2 襲い掛かる魔術書 闇魔 歩数+2 画像募集中! 魔法図書館 夕 歩数+2 画像募集中! 癒しを施す聖宝 歩数+2 おもろ菓子交換所について アトリエさくら出張所。 集めたおもろ菓子と限定アイテムを交換できるんだじぇ~ 個数 アイテム 画像 3500 素敵な宝石ドレス ピンク 3500 素敵な宝石ドレス ブルー 3500 素敵な宝石ドレス イエロー 3500 素敵な宝石ドレス パープル 3500 素敵な宝石ドレス グリーン 3500 素敵な宝石ドレス ブラック 3500 素敵な宝石ドレス ホワイト 800 あじさい帽子 ブラック 800 あじさい帽子 レッド 800 あじさい帽子 ピンク 800 あじさい帽子 ブルー 800 あじさい帽子 グリーン 800 あじさい帽子 イエロー 800 あじさい帽子 ホワイト 2250 ベルベットフリル ブラック 2250 ベルベットフリル レッド 2250 ベルベットフリル ピンク 画像募集中! 2250 ベルベットフリル ブルー 画像募集中! 2250 ベルベットフリル グリーン 2250 ベルベットフリル イエロー 2250 ベルベットフリル ホワイト 1500 シルキードリーム ディープパープル 画像募集中! 1500 シルキードリーム ライムグリーン 画像募集中! 1500 シルキードリーム フレッシュピーチ 画像募集中! 1500 シルキードリーム ライトブルー 画像募集中! 1500 シルキードリーム パールホワイト 画像募集中! 1500 シルキードリーム ワインレッド 画像募集中! 1500 シルキードリーム ノーブルブラック 画像募集中! 1000 レッツパーティ ブルー 1000 レッツパーティ イエロー 1500 レッツパーティ パープル 1500 レッツパーティ レッド 1500 レッツパーティ グリーン 1500 レッツパーティ ブラック 1500 レッツパーティ ホワイト 1100 パーティ風船 ピンク 1100 パーティ風船 イエロー 1100 パーティ風船 ブルー 700 ハッピーコンフェッティ ブルー 700 ハッピーコンフェッティ イエロー 700 ハッピーコンフェッティ グリーン 700 ハッピーコンフェッティ パープル 画像募集中! 700 ハッピーコンフェッティ ピンク 700 ハッピーコンフェッティ アズール 700 ハッピーコンフェッティ ブラウン 1700 シャインクラウン アメジスト 1700 シャインクラウン エメラルド 1700 シャインクラウン スピネル 画像募集中! 1700 シャインクラウン ガーネット 画像募集中! 1700 シャインクラウン オブシディアン 画像募集中! 4000 シャインブライト パープル 画像募集中! 4000 シャインブライト グリーン 画像募集中! 4000 シャインブライト ホワイト 画像募集中! 4000 シャインブライト ブラック 画像募集中! 4000 シャインブライト モノクローム 画像募集中! イベントフレアイについて イベントの期間中にのフレアイをすることができるんだっ! フレアイをすることでおもろ菓子が手に入るんだじぇ~! 1日10回までフレアイできるからどんどんフレアっちゃおう♪ トラップの際の文言(迷子になったとき) 迷ってるみたい、進むべき道を教えてあげよう! 間違えたら マイちゃん: 間違った道を教えてしまったようでゴザイマスわ… クイズ問題集 喜屋武知恵: さてさてクイズの時間ですよ! 問題 選択肢 1から10までの数字を全部足すといくつになりますか? 24/32/55(正解) DJを略さずに言うと何といいますか? ディレクタージャンル/ディスクジョッキー(正解)/デイリージョージ 杏奈と甘奈の名字は何といいますか? 萌萌/愛/萌木(正解) 「イベリコハム」、「サグラダファミリア」、「パエリア」といえば、どこの国の名物ですか? イタリア/スペイン(正解)/ポルトガル オーストラリアにある世界最大の一枚岩と言えば何と言いますか? ビッグストーン/タカチク/エアーズロック(正解) カタカナ一文字でもっとも画数が多い文字は何ですか? モ/ダ/ボ(正解) カタカナばかりで話しているマイロイドのタイプはどれですか? デフォルト(正解)/生意気/泣き虫 紙は何から作られていますか? 鉱物/木材(正解)/果実 「神無月」と言えば何月のことですか? 10月(正解)/5月/2月 気合メガホンの効果はどれですか? 仕事時間の短縮/勉強時間の延長/勉強時間の短縮(正解) 黄色と水色を混ぜたら、何色が出来ますか? 赤/緑(正解)/白 ギリシア神話で誰が雷を使いましたか? ハデス/ヘラクレス/ゼウス(正解) クモは足が何本ありますか? 8本(正解)/6本/2本 好感度を最も上げるアイテムはどれですか? アップリン/果物生活/すとろべり大福(正解) 交渉仙人の効果はどれですか? 仕事時間の短縮(正解)/勉強時間の短縮/仕事時間の延長 ことわざ「きゅうそ猫をかむ」猫をかんだ生き物は何ですか? ライオン/鼠(正解)/鴉 ことわざで非常に危険をおかす例えを何の尾を踏むといいますか? チーター/虎(正解)/ライオン サイコロで6の裏は1,では3の裏は何ですか? 3/4(正解)/5 最初に宇宙に送られた動物はどれですか? 猫/ミバエ(正解)/猿 四角形の内角の和は何度ですか? 270度/180度/360度(正解) 白い野菜はどれですか? チリペッパー/バナナ/カリフラワー(正解) 白雪姫は何人の小人の友達がいますか? 5人/7人(正解)/12人 シロクマはどこに住んでいますか? アフリカ/南極点/北極点(正解) シンデレラの魔法が解けるのは何時ですか? 12時(正解)/7時/10時半 世界で面積が最も狭い国はどれですか? バチカン(正解)/サンマリノ/モナコ 世界で最も面積が広い国はロシア連邦ですが、2番目に広い国はどこですか? 米国/中国/カナダ(正解) 調子を最も上げるアイテムはどれですか? ニャゴヤソフト/くりもんぶらん(正解)/フルフルパフェ 通常、水の沸点は何度ですか? 99℃/100℃(正解)/110℃ ドイツの通貨はどれですか? ドイツマルク/ユーロ(正解)/シリング 童話「ジャックと豆の木」でジャックが豆を手に入れるために交換した動物はなんですか? 犬/豚/牛(正解) 飛べない鳥はどれですか? 鶏(正解)/鴉/鳩 二酸化炭素を冷やして凍らせたものを何と言いますか? 冷えストーン/ドライアイス(正解)/コールドブルー 日本で現在の消費税は何%ですか? 2%/5%(正解)/7% 日本には県がいくつありますか? 43県(正解)/45県/46県 ノートルダム大聖堂がある首都はどれですか? パリ(正解)/モスクワ/ベルリン ハカセが最初に作ったマイロイドは何といいますか? サラリ(正解)/喜屋武知恵/サーバAI 「パソコン」の言葉の省略はどれですか? PC(正解)/AC/BC ひらがなの「あ」の元の漢字はどれですか? 宛/合/安(正解) ひらがなの「こ」の元の漢字はどれですか? 己/子(正解)/去 ひらがなの「む」の元の漢字はどれですか? 武(正解)/無/夢 「プチトマト」などのように使われる「プチ」とは、もともと何語ですか? フランス語(正解)/スペイン語/英語 「弁慶の泣き所」は体のどこの部位のことを言いますか? お腹/額/脛(正解) 便利アイテムをどこで買えますか? 娘天堂(正解)/公園/コンビニ ボート競技「エイト」で使うオールは全部で何本ですか? 6/8(正解)/9 星占いの星座と十二支に共通している動物は牛とあと1つは何ですか? 羊(正解)/牛/兎 最も太陽に近い惑星はどれですか? 水星(正解)/金星/地球 最も長い川はどれですか? ドナウ川/ナイル川(正解)/長江 野球のホームベースの何角形ですか? 四角形/五角形(正解)/三角形 郵便はがきは第何種郵便ですか? 第1種/第2種(正解)/第3種 三重県の県庁所在地はどこですか? 松山/横浜/津(正解) レモンは何色? 黄色(正解)/青/赤
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サラリの部屋の画像一覧です。表情は台詞によって変化します。 ※重くなるのでリンクは貼っていません。コスチュームの詳細は名称で検索して下さい。 ◆萌えcanナビ嬢の部屋へ戻る ◆他のサラリの画像 【頭】 むうー チエ【服】 アリス 白黒【背】 ウェストリボン 真紅【壁】 MCCパーク 昼 【頭】 お詫び サラリ【服】 ポンチョ 青【壁】 雪の街 夜 【頭】 びっくり チエ【服】 メルヘン 黒【壁】 MCCパーク 夕 【頭】 デケーリボン 青【服】 メルヘン 青【壁】 夕方の部屋 【頭】 頭はちまき 白組【服】 バスケットガール 青【背】 バスケ用具 茶【壁】 体育館 【頭】 メイジキャップ【服】 カボチャ服【壁】 悪魔城 【頭】 ズーン・・・ カンナ【服】 うさ寝巻き 青【壁】和室 夜 【頭】 ブラッドローズバレッタ【服】 ブラッドローズ【壁】 大聖堂 夕 【頭】 ワンダーリボン 青【服】 赤ずきん【背】 裁ちばさみ 銀【壁】 ローズスタイル 【頭】 天使クラウン 白【服】 セントエンジェル【壁】 天使城 夜 【頭】 リボンハット 黒【服】 甘乙女 灰【壁】 スタイリッシュルーム 【頭】 クレリック帽【服】 クレリック【背】 魔導士の杖 青魔法術式 青【壁】 モエヴァニア城 昼 【頭】 三日月【服】 侍【壁】 神社 【頭】 デケーリボン 青【服】 メルヘン 青【壁】ガールズルーム ▲ページTOPへ
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前ページゼロの登竜門 ゼロの登竜門 第三章 その1『tune the rainbow』 空は快晴、陽光はさんさんと輝いている。 突如空に現れた青き影に、レコン・キスタ軍は戸惑いを禁じ得ない。 大陸の端に存在する、ニューカッスル城で繰り広げられている最後の戦い。 晴れ晴れとしたその日差しを嘲笑うかのように、精細な雨粒が戦場へと降り注いでいる。 その光景を冷たく見下ろすのは青き竜。桃色の髪の少女。 高さにしておおよそ50mほどの位置に浮かぶ、兵士達にはみたこともない不思議な生き物に乗っている。 「下がりなさい、薄汚いレコン・キスタ。我らはトリステインとアルビオンを繋ぐ虹の化身」 少女の名はルイズ、そして彼の乗る青き竜の名はキング。 天を掛ける空の王。天候すら変える力を持つ強大なる存在。 そしてそのキングは、高らかに響く少女にじっと耳を澄ましている。 敵兵もがそんな光景に見とれ、雨が降っている事を気に止めない。 「引きなさいレコン・キスタ。そしてあなた達の総大将に伝えなさい。無駄に兵を失いたくなければ武器を納めよと。戦争をやめよと」 ルイズの声が、ウェールズの風の魔法によって戦場一帯へと響き渡る。 レコン・キスタは誰が喋っているのかはわかっていない、キングの背に乗るルイズの姿は、対比して非常に小さく、見えなかったからだ。 しかし、その存在を、王党派の貴族は理解した。 青き竜、イーグル号のマストを飛ばしたあの青き竜を見違える者などいやしない。 そう、たとえイーグル号に乗り合わせなくても、昨日帰還した者からその話は誰もが聞いている。 トリステインからの使者。麗しの桃色、ミス・ヴァリエールと。孤高の金、ミスタ・グラモン。 彼らがここにいることは、おそらくウェールズ皇太子も一緒だろうと推測できる。 頭上に輝く陽光が彼女らの影を大地に映し、そして影はその周囲に七色の光を纏う。 警告を無視し、地上の傭兵は矢を放ち、メイジ達は魔法を放つ。 すかさずウェールズが風の魔法でそれらを吹き返す。 弾かれたそれらは戦場に降り注ぎ、悲鳴が聞こえるが気にする事じゃない。 予測していたこととは言え、ルイズは軽く溜息をついた。 そしてキングを魔法も矢も届かない位置へと浮上させた。 「殿下。キングの好きにさせます。城まで引くように兵に伝えてください」 「あ、あぁわかったよ。君達も無理をしないようにね」 ウェールズはそう答えて、フライを唱えてニューカッスルの中庭へ下降する。 降りてきたウェールズの姿に部下が駆けつけた。 「殿下! あれは……ミス・ヴァリエールの使い魔ですね? なぜ殿下があちらへ?」 その問いを筆頭にひっきりなしに投げかけられる部下の言葉を、ウェールズは手を振ることで制した。 「……全軍一時撤退を命令。キングが何かをするようだ。ここは彼らに任せよう」 ジェームズ一世が討ち死にしていることが伝えられ、ウェールズは悲しげに目を伏せた。 父が死んでいるならばその時点で王位はウェールズに引き継がれる。 「アルビオン王国! 国王ウェールズの名において命ずる! 王党軍全軍撤退せよ!全軍撤退せよ!」 ウェールズの言葉は高らかに復唱され、戦場へと伝えられる。 しかし撤退戦は非常に過酷だ。敵に背を向けるため完全に無防備になる。 しかも敵の数は50000、こちらは既に200。 一体どうやって彼らは勝つというのだろうか。 背中にヴェルを、そして両手にダンデを抱いて、ダンデの頭に額を付けてギーシュはじっと瞑想していた。 使い魔との意思の疎通、視界を共有すると言うモノはメイジならば誰でも出来ること。 しかし、ヴェルダンデの場合は複眼。人間の視界との余りのギャップにギーシュは断念せざるを得なかった。 早い話、非常に酔ったのである。 そして今、ギーシュが行っているのはダンデの思考を読み取るということ。 成長した己の使い魔がどんなモノなのか、二つに増えた使い魔がどんなモノなのかを。 幸い、使い魔のルーンは両方に刻まれていたため問題はない。 そしてソレを羨ましそうに見つめるルイズ。 自分もマネをしてぴとりとキングに額を付けるが、何を考えているのかわからない。 ギーシュに気付かれないように頬を膨らませた。悔しい。 (そりゃぁ、ヴェルもダンデも格好良かったけれど……でもでも、フーケのゴーレムを破壊したりワルドを………氷漬けにしたのもキングなんだから) (キングの方が上よ、うん、絶対、だから視界の共有とか意思の疎通とか出来なくても問題ないわ) (キングはわたしの考えてることわかってくれてるみたいだし) 「君の方はどうだい?」 「へっ? なにが?」 突然ギーシュに話しかけられ、ルイズはわけもわからず首を傾げる。 ギーシュはそんなルイズの動作に怪訝な顔をした。 「なにが……って今キングと話してたろう? キングはなんて言ってたんだい?」 ミラレテタ。 話できなかったことを必死で誤魔化そうと、ルイズはわたわたと手を振った。 「そ、そうね、うん問題ないって、自分に任せて欲しいって言ってたわ。ホントわたしの使い魔はとってもお利口さんね」 ほっほっほと白々しく笑うルイズにギーシュは少しだけ眉を顰めたが。追及しても仕方ないのでとりあえず納得した。 雨が、強くなった。 砲撃は止んでいる。 この城に攻撃するどころじゃなくなっているのだろう。 それにしても五万もの大軍と、あのロイヤル・ソヴリン号を足止めするとは。 100人どころではなく、たった二人でさえわからなくなった。 希望を持つのは悪いことだろうか? ふとその時、見慣れぬ人がそこの城の角を曲がっていくのが見えた。 黒髪の。青い服を着ている少年……だろうか? 後ろ姿だったから年齢は判断付かなかったが。 捨て置いてもよかったが、何となく気になったので、ウェールズはその角へと向かう。 もちろん、ワルドのような不埒モノである可能性も捨てきれないため、杖は抜いたまま。 「君…………?」 通路に体を見せるのと同時に杖を前に掲げたが、そこには何もなかった。 ただ、壺や絵画、ガーゴイルなどの美術品が置いているのみ。 「……見間違いだったのかな?」 通路の先はおおよそ100m、向こう側まで扉は皆無、曲がり角までしっかり見える。 ちょうど反対側から部下が現れたので、風の魔法を応用して言葉をやり取りする。 誰もここから来ていないらしい。 すぐ傍らにあった銅像に手を置きながらウェールズは考える。 見間違いだったのか。違和感を拭いきれないながらも無理矢理納得することにした。 不意に、銅像の傍らに剣を見つけた。長さにして150サントほどある。誰のモノだろうか。 誰かが置き忘れたのか。そう言えばさっき見えた少年が背負っていたモノか? ディテクトマジックをその剣にかける。反応無し。罠では無さそうだ。 柄を握って軽く抜いてみると、錆びた刃が姿を現す。 一瞬、持っていくべきかどうかを悩んだが。丁度部下に呼ばれ、結局ウェールズは剣をその場に置いて廊下を通り抜けた。 持ち主がいるならば動かしたら困る場合もあるだろう、そう判断してのことである。 誰もがいなくなり、空気すらも止まったその時。さっきまで触れていた銅像がドロリと溶けた。 「おまたせ~」 と言ってやってきたのはタバサとキュルケだった。 キングのすぐ側でシルフィードがホバリングして停止する。 ほぼ二日遅れでやってきたのは、タバサの服の確保に手間取ったかららしい。 急ぐからと言ってたたき起こし、パジャマのまま連れてくるから。せめて着替えるまで待ってあげればよかっただろうに。 当のタバサは特に気にしていないらしかったが、せっかくアルビオンに行くんだから相方がそんな格好では締まらない。とキュルケの談。 タバサは相変わらずシルフィードの背に乗って本を読んでいる。結局着ているのはキュルケやルイズと同じ学院の制服。 「って言うかあんたの使い魔って一体何なのさ」 シルフィードの足にぷらーんとくくりつけられているのは土くれのフーケだ。 全身をグルグルと縄で縛られている。そしてその縛り方はとても官能的だった。 いわゆる亀甲縛りの形である。フーケの豊かな胸がその縄によって強調され、ギーシュがそれをガン見している。 「………ツェルプストー。あなたいったいなにやってんのよ……」 「ふふん。どぉ? 召喚されし書物に書いてあったのものを思い出しながら縛ってみたのよ」 胸を張ってのたまうキュルケに、ルイズは溜息をついた。 「これだからゲルマニアの女は下品だって言うのよ……」 「あら、何事も経験よ?殿方を魅了するためならどんな手段だって身に付けておいて損はないわ」 キュルケの言葉にルイズは何も反論せず、ただフーケからぷいっと視線をそらした。 両手両足を背中側へとまわされ、しかもそれを縄で結び、それを更にシルフィードの脚に繋いでアルビオンまで来たのだろう。 いくら敵とは言え、あんまりな仕打ちにルイズは同情を禁じ得なかった。 「フーケ大丈夫?」 「大丈夫なわけ有るか! あたしにこんな趣味はないよ。ったくあんたからも言っておくれよ。杖も持ってないし逃げやしないからほどいてくれ、って」 「ほどいてもあたしは構わないけど……一旦降りないとダメよ?」 キュルケにそう言われ、フーケは眼下を望む。 レコンキスタの軍がこちらを見上げている。無理だ。 やれやれとフーケが悪態をつく。 「ったくとんだ災難だよ……おや、あの色男はどこ行ったんだい?」 フーケが言うのはワルドのことだ。 ワルドがいないことにキュルケとタバサもようやく気付き、顔を上げる。 「ワルドは裏切り者だったわ……仮面の男がワルドだったのよ」 ルイズが言うと、タバサはもう興味が無さそうに本に視線を降ろし、キュルケも一言「そう」と言うだけだった。 「ところでギーシュ、それは?」 キュルケが指差しているのは、腕の中のダンデである。 「あぁ、成長したんだ。そのおかげで子爵を撃退できたんだ」 と言いながらもギーシュはフーケから目をそらさない。ルイズがぽかりと頭を叩く。 「ずいぶん大きいわね……でもあんた抜け殻なんで背負ってるの?」 無理もない、背中のヴェル、抜け殻も動くと言うことはその目でみないことには予想も出来ないだろう。 「こっちも僕の使い魔なのさ」 そう言って肩を振るわせると、ヴェルが身震いしてゆっくりと背中から離れた。 「ほらね? あぁ背中の隙間から中は覗かない方が良いよ、立ちくらみするから。魂でも吸い込んでいるのかな? はっはっは」 そう言われると覗きたくなるらしい。キュルケはそっと手を伸ばしてヴェルを抱き上げ、くるりとひっくり返して……。 もう少しでシルフィードから落ちるところだった。 風が、吹いてきた。 門扉は既に内側から閉ざされ、番兵は内側にのみ存在する。 敵、レコンキスタは空に在るキングに気を取られてニューカッスルに注意をおいていない。 不意に、番兵は城から出てきた少年に気付いた。 少年? 確かに少年だ。 身長は170サントを少し超えたくらいだろうか。鞘に収めた大剣を背負って苦もなく歩いている。 「まて! 外に出てはダメだ。ミス・ヴァリエール嬢が……」 そこまで言ったところで。タン、と地面を蹴って少年は跳躍する。 7mを超える門扉を、魔法を唱えることなく飛び越えた少年に彼らは唖然とするばかりだった。 城から出てきた少年に、レコン・キスタの傭兵達が気付く。 少年は肩に背負った剣に右手を伸ばし、わずかに抜いた。 その状態で固定。鍔が空気に晒される。 そしてその鍔がカタカタと動き、声を発した。 「相棒。良いのかい? あの王子さん見逃して」 「なに言ってんだよデルフ。偵察で良いって言われたじゃんか。闘えっていわれてねーし」 「じゃぁ今目の前にいる連中はいいのかい? 連中は旦那側の人間だぜ?」 「それも問題ねーよ。闘わねーし」 喋る剣。一般的にはインテリジェンスソードと呼ばれ、自らの意思を持つ武具である。 と有ることがきっかけで出会い。剣の方が少年を「使い手」と呼び売り込んだ経緯がある。 彼自身は本来武器を持つことは必要としていなかったが。あまりにもしつこいので、結局購入してしまったのだ。 ちなみに剣の料金は彼の主の元に請求するように伝えた。それを伝えたら武器屋の店主は驚きのあまりひっくり返ってしまったが。 少年の意図が掴めず、デルフと呼ばれた剣がなおも話しかけてくる。 「じゃぁどうするってんだ? まさかアレをあいてにしようってんじゃねーだろうな?」 デルフが言う『アレ』とは、はるか頭上の彼方に浮遊する青き存在だ。 「無理無理。一応挨拶しておきたい気もするけど、お楽しみはあとにおいとこーぜ。それに、じつはおれご主人から言いつけられてたこと有るんだよ」 「へぇ! そうだったのか。オレに内緒にしとくたぁ、チィッとばかし寂しい気がするが許す。お前は相棒だかんな」 デルフの軽口に、彼もその表情に笑みを浮かべる。 ただ、いまいち笑い方を知らないような、そんな歪な笑みではあったが。 「ご主人もあまりこの戦い気にしてないみたいだしな。クロムウェルが何かするんなら勝手にさせておけ。みたいな感じだし」 「クロムウェルってーと。レコンなんたらっていうのの親玉だっけか。しっかし旦那も何をしたいのかさっぱりだねぇ」 「さっぱりでもご主人の言うとおりに動くのがオレの仕事で。相棒のお前の役目だろ」 「違いねぇ」 彼の言葉に、デルフが愉快そうにカタカタと振るわせる。 「それじゃ。帰るか」 「んだぁな」 恒例となっているデルフとのお喋りを彼は打ち切る。 レコン・キスタは、たった一人で出てきた少年を警戒して攻撃を放ってこない。 ただでさえ雨が降っている中、頭上に気を取られているのだ、仕方ない。 しかしそんな彼らを無視するように、少年はすいっと空を見上げた。 そしてじい、と翼を持つ龍、タバサの使い魔『シルフィード』を見つめた。 正確には、その翼、を。 浮遊大陸であるはずのアルビオンに雲がかかる。 凝縮されたその雲はやがて太陽を覆い、大粒の雨を降りそそがせた。 タバサは変わらぬ表情のまま本を収めた。この状況では読むのもままならない。それどころか本自体を傷めてしまう。 狂喜乱舞したのはルイズだ。まさか己の使い魔がこんな事まで出来るとは思ってもいなかった。 使い魔召喚からコレまで、物事はとんでもない勢いで好転している。 そしてルイズの心の中にはもっと立派にならなくてはと言う思いがすくすくと成長する。 その凛とした眼差しは、仇敵であるキュルケもが思わず見とれて、微笑みを浮かべてしまうほど。 仇敵であるというのは、かつてのヴァリエールとツェルプストーの戦いの歴史が理由で、実際のところキュルケ自身はルイズに悪感情は抱いていないのだ。 ただルイズが悪感情を向けてくるから、ついついからかってしまうのだ、可愛い妹のような感覚が近いだろう。 けれど、コンプレックスの塊であったルイズの顔はもう見えない。その顔は自信に満ちあふれ、そして素晴らしき決意が遠くを見据えている。 それがキュルケは嬉しく、同時にほんの少し寂しく感じられるモノであった。ルイズには口が裂けても言えないことであるが。 「……何よツェルプストー。気色悪いわね、にやけて」 「あらそぉ? あたし笑ってた?」 ルイズの言葉をいつものようにあしらうと、ムキになって口を出してくる、こう言うところは相変わらずだ。 「笑ってたわよ。コレが戦争だって事わかってるの? こんなときによく笑えるわね」 ルイズの言葉にキュルケは眼下を望む。 大粒の雨がボタボタと地面に落ち、地面を沼地のように変質させる。 レコン・キスタは全身が濡れ鼠のようになり、時折落ちる落雷が水たまりを介して走り抜ける。 「一方的じゃない」 「……コレでも手加減してる……のよね? キング」 大雨を降らせ、それと一緒に何度も雷を落とし、敵軍を攻撃する。キングが行っているのはそれだ。 敵の攻撃は当たらない。ただこっちは上からモノを落とすだけ。一歩間違えれば虐殺行為だ。 しかし見た限りでは倒れたり落雷でしびれたりしている者はいるみたいだが、死者はいない……とおもう。ルイズは自信が持てなかった。 「ねぇキング。雷も良いんだけどもうちょっと穏便にできない?」 ルイズがキングの頭をぺしぺしと叩いてそう言うと、キングはあまごいを止めた。 そして、真紅の瞳が眩く光り、静かに低く遠く、叫び始めた。 雨は止み、そして世界の温度が低下する。 空気中の水蒸気が瞬く間に凍結し、雪へと変わる。 気圧の差によって風が吹き荒れだし、生み出された雪は吹雪となりて戦場へと襲いかかる。 しとしと振る雨は沈む世界。がらがらと落つる雷は猛る世界。さわさわと吹く雪は閉じた世界。 レコン・キスタは、もはや自分たちが何と闘っているのかわからなくなっていた。 いや、コレはもはや戦いなどと言うレベルではない、雨を降らし雷を落とし、そして雨を雪へと変えたこの広範囲に至る魔法! メイジなどではない。まさしく『異常』としか言えないこの事態を引き起こせるメイジなど。どれだけかき集めたって出来るはずがない。 「……引きなさい。レコン・キスタ……」 背筋をぞくりと撫でる幼い声。はるか上空に有る青い影。 何処からか現れて瞬く間に戦場を支配してしまった。アレは一体何だというのだ。 魔法は届かない。影に乗っている何者かが散らしてしまう。 メイジの使い魔? だとしたらそんなモノを使役するメイジとは一体どれほどの実力を持っているというのか。 傭兵が矢を射るが、それもやはり届かない。それどころか弾かれた矢が地面に落ちて仲間に刺さる始末。 レキシントンからの竜騎兵が出撃するのも見えたが、そちらも近づくことすら叶わず、曇天からの落雷によって叩き落とされた。 もはや、意地など無意味、このままここにいたら落雷に撃たれ黒こげになるか、吹雪に巻かれて凍死するかの未来しかない。 「冗談じゃない! こんなところで死んでたまるか!」 誰かが言ったセリフが呼び水となり、金で雇われた傭兵はもちろん、貴族の連中も我先にと逃げ始める。 そしてこの好機を逃がさないと見たのが王党派。 ニューカッスルの門扉が開かれ、王軍が戦場へ踊りだそうとするのも、そして頭上から一つの影が飛び降りたことも。 レコン・キスタは、もはや気にしている場合ではなかった。 「ねぇキュルケ……わたし考えたんだけど……」 「何よ」 吹雪にまかれ逃げまどうレコン・キスタを見下ろしながらルイズは呟いた。 そしてキュルケはそのルイズに視線を向けて答える。 「なんのために、戦争ってするのかしら」 「……あたしにはわかんないわよ。軍人じゃないし」 「愛する人の為に敵を殺して。そして殺した人にも愛する人っているはずなのよね」 「まぁ……そうね」 レコン・キスタはもはや軍としての体裁を成していない、総崩れの状態だ。 当然だろう、雨を降らし雷を落とし吹雪を起こしたのだ。 しかし、ルイズの心はさっきとはうって変わって沈んだ状態だ。 さっきまではキングがやったことに大喜びだったのに。戦争について考えた途端一気に沈んでしまった。 アンリエッタからの頼み、ウェールズの誇り。勝ってるのに、嬉しくない。 人は、人を愛するべきだ。そして愛する人を奪うべきではない。結局はそう結論づけた。 それは、ルイズが女の子故の未熟さから来るモノなのか、女故の強さから来るモノなのか。 彼女自身ですらそれは判らない。でも……。 『彼女』はそう望んでいるはず。ならば友達としてすることは一つ。 ルイズはギーシュに声をかける。 「ギーシュお願い。これから言うことをウェールズ様に伝えてきて欲しいの」 「何なりと、ミス・ヴァリエール。女性の頼みと有れば如何なるモノであろうと断らないのがグラモンの教えなのだよ」 こんな時にでも調子を狂わさずキザったらしいことを吐く。そんなギーシュにルイズは苦笑しながら、伝える。 眼下のニューカッスルの門が開こうとする。戦況が優位なうちにレコン・キスタを一人でも多く討ち取ろうと考えたのだろう。 けれどダメだ、キングの攻撃は敵を選ばない。雷は狙い撃ちに出来るが吹雪はそうは行かない。そして……。 あまごい。かみなり。ふぶき。起動した破壊の小箱、最後の一つをキングは発揮する。 「雨は夜更け過ぎに、雪へと変わるだろう……」 「相棒、なんだねそれは」 少年が唐突に口にした言葉をデルフが尋ねる。 「いや、昔あった歌のフレーズなんだけどよくは覚えてねぇな、サビとイントロくらいしか」 「へぇ! 歌か。そういやオレも相棒のことよくわかんねぇな。元いたところどんなとこだったか教えてくれよ」 「そうだなぁ……オレが元いたところか。一言じゃ言い表せねぇなぁ」 「断片でもいいさ」 「とは言ってもオレもあんまりあちこち行った訳じゃないし。前のご主人に捕まって住処から離れたくらいだからなぁ……」 捕まる。住処。相棒が語る断片的な単語を、デルフは理解することが出来ない。 「前のご主人ってどんな奴だったんだね?」 「こんな奴」 そう言って、彼は自分自身の顔を指差した。 「ハハハッ、なるほど、自分の主人は自分自身って奴か。相棒言うねぇ、かっこいいぜ、しびれるぜ」 デルフは都合よく解釈し。少年は否定も肯定もせずにただうすく笑うだけ。 そして、『ぱんっ』と音を立てて彼の背中に一対の翼が生える。 そう、それは頭上にて羽ばたく竜の物と全く一緒。 タバサの使い魔、シルフィードの所有する皮膜の翼。 「相棒ってそんなことも出来るのかい」 デルフの言葉に彼は応えず、ただ背中から剣を外して両腕で抱え、パチンと納刀する。 そして一度バサリと翼が動くと、彼の体がふわりと浮いた。 背後の門扉が開かれようとしている。レコン・キスタは総崩れで撤退しようとしている。 長居は無用、さっさと帰る。 頭上にいるルイズたちに見つからない程度、レコン・キスタに標的にならない程度の高さへ、少年は飛び上がった。 そうだ、もう少し撤退しやすくしてやろう。 そう思い至った少年は深く息を吸い込んで、叫んだ。 「殿下……いえ、陛下……」 「ミスタ……」 傍らに二体の使い魔を従えたギーシュがふわりと門扉の前に降臨する。 「……ありがとう、君達のおかげで我ら王党派はレコン・キスタに一矢報いることが出来る……今なら勝てないまでも……」 「違う、とのことです。陛下」 ギーシュの言葉にウェールズは眉を顰めた。 「レコン・キスタはもはや総崩れ。逃げるなら今です、陛下。イーグル号に乗って脱出するよう命令を」 ルイズからの伝言、それは徹頭徹尾変わらなかった。 ウェールズの思いがわからないわけではない。ただそれでもルイズは友達を、アンリエッタの意思を尊重した。 ならば、不肖ギーシュ・ド・グラモン。我が友ラ・ヴァリエールのために一肌脱ごうではないか。 そう、ギーシュの心の中は既にできあがっている。 たとえどんな手を使っても、ウェールズに首を縦に振らせてみせる。 「それは………………」 長い沈黙のあと、ウェールズはそれでも「出来ない」と答えた。 「なぜです? 敵は撤退を始めています。逃げる敵を背後から刺すのですか?」 「それは……」 言葉に詰まったウェールズに、ギーシュはその薔薇を振ってキザったらしく言った。 「ウェールズ陛下。アルビオンの礼儀や風習と言ったモノはあいにく不勉強故に存じ上げません」 ですが、とギーシュは言う。一国の王を相手取っているのにギーシュは決して引かない。 「背を向けて逃げる相手を、あえて追うということは、いささか美しさに欠けるというモノではないでしょうか?」 ギーシュの言葉は、戦争のなんたるかも知らない若造のセリフ。そんなモノ一笑に伏してしまえばよかったのに。 けれどウェールズはそれが出来なかった。その言葉が、自分たちを案じているが故に、紡がれる言葉だと理解しているが故に。 「ぼくは棘なんだ。外敵から友を守り。そして敵の多いとわかっている外界へ、解き放つわけにはいかないんだ」 それでも渋るウェールズに、ギーシュは宝刀を抜いた。 「ならばこう言おう。アルビオン王国国王。ウェールズ一世に申し上げる。『この戦いはわたし達の勝ちである。敗者は勝者の命に従うべきである。よって国王陛下は我々の捕虜にさせていただく』だ、そうです」 ギーシュの言葉に、ウェールズは呆気にとられ言葉を失った。 そして唐突にぷっと吹き出して大声で笑った。 「それは、ミス・ヴァリエールの入れ知恵かい?」 爽やかな笑みを浮かべてそう言ったウェールズに、ギーシュも同じような笑みで応える。 「芯の強さは。ぼくらより彼女らの方が上ですよウェールズ様。到底真似できません。さぁ、行きましょう陛下。アンリエッタ姫殿下がお待ちです」 すっとギーシュは右手を前に出した。口に薔薇をくわえながらのその動作だが。もはやキザを通り越して笑いの呼び水にしかならない。 もっとも、そんなギーシュを笑える者など一人としていない。 「了解した。敗者は勝者に従おう、ミスタ・グラモン。アルビオン王国軍所属。国王ウェールズ・テューダー。我が杖にかけて捕虜となることを宣誓する……コレでいいのかい?」 杖を掲げてウェールズはそう宣言した。 ギーシュが笑った。 説得は成功したようだ。降りたギーシュが両手を振っている。 そしてルイズはキングをぺしぺしと叩くと、ゆっくりと下降し始めた。 隣のタバサのシルフィードもそれに伴い着地する。 「うぺ」 「ご苦労様」 「おやすい御用さ」 ルイズの労いの言葉を、ギーシュは薔薇を振りながらさも当然と言った風に応えた。 そのギーシュの左手には杖が。ウェールズの杖が握られている。 一応名目上は捕虜という建前、杖を預かる必要があったらしい。結局直ぐ返すのだが。 二人ともフライを唱え、キングの背に乗り移ってその背びれに捕まる。 その途端、世界が揺れる。 目の前のニューカッスルの輪郭がぶれている。 ゴシゴシと誰もがまぶたをこすったが、そのぶれは止まらない。 それどころか低い轟音が断続的に鳴り響き始めた。 彼らはわからない。空に浮くが故に大地の振動を逃れられていることに。 ニューカッスルの外壁にヒビが入る。塔の煉瓦が砕ける。 「キング! あなたね!?」 一瞬何が起こっているのか誰もがわからなかったが、ルイズの声で覚醒する。 雨。雷。雪ときて今度は大地を揺らしたのだ。 ルイズは、キングが何をしても驚かないようにしようと、今この時決意した。 キングがすることでいちいち驚いていたら、身が持たない。 それよりも驚くべきは破壊の小箱だ。一体どういう仕組みになっているのだろうか。 いまいちどんな効果があるのかわからない。アナウンスの意味がわかれば良いんだけれども。 唯一わかるのは『ポケモン』という単語がキングやヴェルダンデといった生き物を指すことぐらいだ。 小箱はまとめて袋に詰めてキングの口の中に入れている。長い牙に結びつけて落ちないように。 その時だ、破壊の小箱の入った袋をキングの口の中から引っ張り上げた際、変な音が聞こえた。 「キュルケ今何か言った?」 「なんのこと?」 そう返したキュルケの顔は、ホントになんのことかわからないといった様子だった。 けれどやはり聞こえる。コレは音ではなく……声……か? 序章。 これより我が知りし真理をこの唄に残す。この世の全ての物質は、小さな粒より為る。 四の系統はその小さな粒に干渉し、影響を与え、かつ変化せしめる呪文なり。 その四つの系統は、『火』『水』『風』『土』と為す。 神は我に更なる力を与えられた。四の系統が影響を与えし小さな粒は、更に小さな粒より為る。 神が我に与えしその系統は、四の何れにも属せず。我が系統は更なる小さき粒に干渉し、影響を与え、かつ変化せしめる呪文なり。四に非ざれば零。零即ちこれ『虚無』。 我は神が我に与えし零を『虚無の系統』と名づけん。 これを聴けし者は、我の行いと理想と目標を受け継ぐ者なり。 またその為の力を担いし者なり。『虚無』を扱う者は心せよ。 志半ばで倒れし我とその同胞の為、異教に奪われし『聖地』を取り戻すべく努力せよ。 『虚無』は強力なり。また、その詠唱は永きに渡り、多大な精神力を消耗する。詠唱者は注意せよ。 時として『虚無』はその強力により命を削る。従って我は聴者を選ぶ。 例え資格無き者が指輪を嵌めても、この唄は詠われぬ。 選ばれし聴者は『四の系統』の指輪を嵌めよ。されば、この唄は汝に届かん。 以下に、我が扱いし『虚無』の呪文を託す。 初歩の初歩の初歩。『エクスプロージョン』 ブリミル・ル・ルミル・ユル・ヴィリ・ヴェー・ヴァルトリ 音源を探り、ルイズは袋から小箱を取りだした。 破壊の小箱とは違う色、形をした色あせた小箱。 歌はその小箱からひっきりなしに聞こえてくる。 「なにその汚い箱。それも破壊の小箱なの?」 ちがう、破壊の小箱はこんな形じゃない。これは、なぜこれが混ざっているのだ? 指にはめた水のルビー。アンリエッタからもらった宝石が燦然と輝いている。 「キュルケ、聞こえないの?」 「だからさっきからなんの話よ」 聞こえていない。隣のタバサに視線を向けると、彼女もふるふると首を振った。 聞こえているのはわたしだけ、なら、わたしが…………? ドクンと心臓が大きく鼓動するのが自分でもわかった。 ずっとわからなかった、失敗続きだった自分の魔法。まさか、まさかこんなところで……! 「それは……『始祖のオルゴール』かい? なぜそれがここに?」 その小箱を見たウェールズが、怪訝そうな顔をしている。 「始祖のオルゴール? 国宝じゃない。なんであんたがそんなモノ持ってるの」 キュルケの言葉にルイズは首を振った。知らない。 破壊の小箱は、お使いに行く際に必要になると思い。貸してもらえるよう、アンリエッタに頼んだ物だ。 必要になるだろうから、と言うことで借りた。そしてアンリエッタは快諾し、翌朝にオスマンから直接受け取った。 と言うことなら、オスマンが間違って入れたのだろうか。にしても国宝を間違えて入れるとは、常識では考えられないことだが。 唄はエンドレスで唱えられる。 「ねぇ、ルイ……」「しっ、黙って……」 キュルケの言葉をルイズが短く遮った。 じっとその唄に耳を傾ける。そしてそんなルイズを怪訝そうに見つめる一行。 「…………わたしの系統……わかったかもしれない……」 ルイズはそう言って、レキシントン号を睨み付けた。 「タバサ。二人をお願いできる?」 ルイズの言葉にタバサは怪訝そうに首を傾げたが、一言「大丈夫」と答えた。 「ギーシュ、陛下。シルフィードへ移ってもらえますか?」 ルイズがいったい何をしようとしているのか、未だに誰もがわからない。 しかししいて反対することでもない、移って欲しいと言われれば、移る。 そしてルイズはキングをペしペしと叩いて飛ぶように指示する。 二対四つの視線は、じっとレキシントンを見つめる。 判明した系統、それが本当ならば、今までのアレは失敗などではなく。 「ねぇ始祖ブリミル。あんたヌケてんじゃないの? この指輪がないと『始祖のオルゴール』は聞こえ無いんでしょ? その聴き手とやらも。注意書きの意味無いじゃない」 けれど、聴き手を選ぶという文句。ならば聞ける自分が、聴き手と言うことになるのだろう。 歌が聞こえる、聞こえるのならば呪文も効果がでるかもしれない。 初歩の初歩の初歩、『エクスプロージョン』。 キングはなおも飛行し、レキシントンの頭上、大砲の届かぬ位置に躍り出た。 そして唱える。 遥か彼方の空の下で。 既に雨は止み、雲は切れて陽光が大陸に差し込んでいる。 邪魔する者は誰一人としていない。それどころか今その場所はたった一つの存在によって掌握されていた。 青き空の王。虚無に目覚めし少女。 そして、呪文を完成させたルイズはその破壊の威力を理解する。 眼下にあるのは巨大な船、それに乗る人間の姿もはっきりと見える。 この呪文に巻き込む全ての人を、理解した。 そして少女は選択する、殺すか、殺さぬか。破壊すべきはいったい何か。 きゅっと瞳を閉じて、そしてゆっくりと開いた。 鳶色の瞳はなおも決意に満ちあふれている。 破壊すべきは、敵の巨船『レキシントン』号。 ルイズはその杖をぎゅっと握りしめ、力強く振り下ろした。 遠くレキシントン号の上空へと躍り出た使い魔と、その主を目で追っていたその時だった。 「ちょっとあんたら、降りたんだったらこれほどいとくれよ」 シルフィードの真下からそんな声が聞こえる。 その声に気付いた四名はそちらへ視線を向けた。 亀甲縛りでシルフィードの脚にくくりつけられていたフーケだった。 先程着地した際に、ついでに地面に降りたような形になっている。 ただ、雨によって出来た泥水が口に入ったのか、しきりにぺっぺと吐いていた。 「どうする?」と決定権のないギーシュがキュルケに訊く。 「そう言えばなぜ彼女は縛られているんだい? いったい何を?」 事情を知らないウェールズがそう訪ねた。 その質問に、フーケが盗賊であったことを説明する。 「なるほど……しかしもう杖は奪っているのだろう? ならばほどいても良いんじゃないかい?」 「でしたら王子様……今は陛下でしたかしら? どうぞなさってくださいな」 キュルケの言葉にウェールズは頷き、シルフィードから降りる。 そしてまずは脚にくくりつけられていたロープをほどいた……が。 「これは……何処からほどいたら良いのかな……?」 困り顔でウェールズがキュルケを見上げる。 全身に巻き付かれた縄が、ローブを纏ってるとはいえ豊満なフーケのカラダを強調していたのだ。 さすがにむやみに触れるのは躊躇する。 「アンロックで構いませんわよ」 キュルケの言葉に従い、ウェールズは「縄よ解けよ」と、アンロックのコモンマジックを唱える。 すると、きつく締められていたはずのロープが独りでにしゅるしゅると解かれた。 自由になった体を起こし、フーケは立ち上がって固められていたカラダをほぐす。 「ったく……とんだ災難だったわよ……なによ」 腰に手を当てたり肩をグリグリと回しているその時、顔をじっと見つめるウェールズの視線に気付いてとっさに隠した。 「……君……何処かで会ったことないかい」 その言葉にフーケが小さくピクリと肩をすくませる。 そしてゆっくりと振り返ってにっこりと笑った。 「あたしゃしがない盗賊風情さ、一国の皇太子なんかと面識なんざ有るわけ無いね。他人のそら似じゃないのかい?」 そういうフーケの頬には、頬に付いた泥が目の下までぐるっと模様のように引き延ばされていた。 たった今、顔を隠したときに付けたのだろう。 「そうか……いや……。そうだ、思い出した。ミスタ・サウスゴータ!」 突然のウェールズの叫びに、フーケは肩をすくませ、キュルケが、タバサが、ギーシュが視線を向けた。 思い出したのは、かつて何度か面識のあった叔父の部下。 兄に王位を譲り、そして自らは大公としてトリステインのサウスゴータ一帯の広大な土地を納め、財務大臣を担っていた叔父君。 そしてその腹心とも言える、部下。 「それじゃぁ……まさか、まさか君は……マチルダ・オブ・サウスゴータ……なのか?」 その名が呼ばれたとき、フーケは奥歯をギシリと噛んだ。そしてウェールズに顔をそむけたまま「違う」と力なく言った。 「いや……間違いない、思い出した。五年前父上の誕生会に叔父君の紹介されたサウスゴータ公。その時に会っているはずだ。眉の形が父親似だと……」 「……それ以上は。何も言うな」 フーケの絞り出すような言葉に、ウェールズは言葉をそこで切った。 そんな二人を、誰もが神妙な顔で見つめていた。 貴族の名を追われた、と言ったあの時のフーケの言葉を、キュルケは思い出す。 まさか、フーケが元公爵家の娘だったことにも驚きだったが。その爵位を奪うことになったその理由が想像付かない。 タバサも興味が無さそうに本を開きながら、そのページがさっきから一つもすすんでいない。 「………あー……ミス・フーケ。いや、ミス・マチルダかな?」 「……どっちでも良いさ。いまさら名前なんて」 「いったい、昔の君達に何があったんだい」 空気を読まずに、ギーシュが好奇心からそう訊いた。キュルケが「このバカ」と眉間にしわを寄せて表情を作る。 「……昔の話さ。四年前のアルビオン王国の大スキャンダル。その火消しのとばっちりを受けただけってのことさね」 フーケはそう言って、ローブに付いた泥をパンパンと払った。 そしてそのまま立ち去ろうとしたところで、キュルケがレビテーションで浮かした。 「なにすんのさ」 「それでもあなたが盗賊だったことには変わりないでしょう? トリステインに戻ったら再度衛士に引き渡すわ」 視界の端では、白い光がレキシントン号を蹂躙している。 やれやれ……次から次へと厄介なことが起こるモノだ。 フーケをシルフィードに乗せ、キュルケは深く溜息をついた。 前ページゼロの登竜門
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前ページ次ページゼロの登竜門 ゼロの登竜門 第二章 『土から鉄、そして鋼へ』前編 トリステインの城下町、チェルノボーグの牢獄にフーケは捕らわれていた。 魔法学院から破壊の小箱を盗んだモノの使い方がわからず。 使い方を知るため生徒をおびき出し、結果そのもくろみは成功したのだが。 ありのままあの時起こったことを話すわ。 『私はチビどもの前で秘宝を使ったと思ったらいつの間にかぐるぐる巻きになっていた』 な…何を言ってるのかわからないと思うけどあたしも何をされたのかわからなかった。 頭がどうにかなりそうだった… 催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなものじゃ断じてない! もっと恐ろしいものの片鱗を味わったわ……… それから、なぜかやたら眠くなってしまう、なぜかしら……… いまも………ねむ…… 「『土くれ』だな」 何よぉ……確かにそう呼ばれてるけど眠いのよ…… 「話をしに来た」 話ぃ?聞いてあげるから言いなさいよ……… その後のことはよく思い出せない 夢うつつになっていたから、どんな話をしたのかは覚えていない。 気付いたらあたしは牢獄から出ていて、隣には仮面の白マントが居た。 「マチルダ・オブ・サウスゴータ。お前を出したのは契約の前払いだ。我々と一緒に来い」 アルビオン王族を斃そうという。レコンキスタ。 やれやれ………またなんか厄介なモノに巻き込まれそうな予感がするよ。 ねむい。 ☆★ 白い袋を地面に置くと、中に入っている物がガチャリと音を立てる。 そしてルイズは朝靄の中、キングを呼んだ。 呼ばれたキングは咆吼もせず静かにやってくる。 キングの咆吼は大きいため自制するように言いつけたからだ。言うことをよく聞くいい子である。 ルイズが撫でると、すり寄ってくる。 魚だったときはともかく、これだけ大きいとスキンシップも大変である。 キングを呼んだのは、アルビオンへと向かうための移動手段としてだ。 それは、昨夜トリステインのアンリエッタ姫殿下がこっそりとルイズの部屋に来たからである。 ゲルマニアの皇帝との政略結婚に表情を暗くし、俯きながら。 国を守るためには致し方ないこと、しかしその同盟を破棄させようと暗躍しているモノがいるらしい。 そしてその材料が、遠き浮遊大陸、アルビオンに存在するとのことだった。 アルビオンでは今内乱が起こっており、貴族派と王党派で争っている。 アンリエッタは、そこへ言って、王党派のリーダーであるウェールズ皇太子から手紙を受け取ってきて欲しいと言ったのだ。 戦争真っ最中のそんな危険な場所へ、しかし幼い頃から親友だと想い続けているルイズにしか頼めないことだと。 それをルイズは快く承諾した。 アンリエッタからの封書を受け取り、いざ行かんと準備をしているところなのだ。 そこへ、カサカサと足音を立てて近づいてくる音があった。 「だれっ」 ルイズの警戒がキングへと伝わり、即座に攻撃態勢へと移った。 「待った、待ってくれルイズ。ぼくだ、ギーシュだよ」 慌てるような声と共に朝靄の中から現れたのは、金髪の美少年。ギーシュ・ド・グラモンだった。 かつて二股がばれて、魚の時のキングに一撃でやられた哀れな少年である。 なぜこんなところにギーシュが居るのか、見知った相手だが、ルイズは少しだけ警戒しておく。 「そんなに警戒しないでくれたまえ………その、実は折り入って頼みがあるんだ」 「朝早くからご苦労な事ね。でもあいにくわたし達用事があるの帰ってからにしてくれる?」 「いや、君のその用事に関することなんだ………」 「わたしの用事………って、ギーシュ貴方まさか!」 「この通りだっ、すまない、盗み聞きしたのは申し訳ないと思っている。だが姫殿下のお役に立ちたいんだっ」 凄い勢いでギーシュは両膝を付き、手の平を地面について額を地面にこすりつける。 そのギーシュの様子に、ルイズは怒るよりも呆れてしまった。 「……いいわ。連れてってあげる。キングも大丈夫よね?」 「Gyaooooooon」 キングはルイズの問いに肯定する。 「大丈夫みたいね。姫様へは帰ってからわたしから言ってあげるわ……だから頭上げて、男の子はそう簡単に頭下げないで」 ルイズの言葉にがばっとギーシュを顔を上げた。 「あぁ、ミス・ヴァリエール。なんて君は優しいんだ。いつもゼロと言ってすまなかった。それに………」 ギーシュが立ち上がりつつズボンの埃を払って、キングを見上げる。 「これホントに君の使い魔かい、ずいぶん成長したんだね。なんでもフーケのゴーレムを一撃で破壊したとか………」 強面なキングの顔にすこし物怖じしながら言う。 「そうよね。わたしもビックリよ………」 「でもこう大きくなるとぼくの使い魔の方が可愛いけどね」 「………あんたそれが言いたかったの?」 ルイズが言うと、ギーシュは照れくさそうに頬をかいた。 「まぁ、確かにこんな外見してると『可愛い』とは言えないかもしれないけど。それでもわたしにとっては『可愛い使い魔』であることには変わらないわ」 「……ところで、ぼくの使い魔も一緒に連れていって良いかい?」 「あんた使い魔いたの」 ルイズの言い方に思わずギーシュは苦笑する。 「いるに決まっているじゃないか」 「なら呼んだらいいじゃない、何処にいるの?」 ここに、と言ってギーシュは薔薇の造花で地面を指す。 するとその地面がモコモコと盛り上がり、そこから一匹の動物が現れた。 「それって……」 「すごいだろう? ぼくの使い魔『ヴェルダンデ』だ。あぁぼくの可愛いヴェルダンデ。甘い木の根を一杯吸ってきたかい?」 ルイズは目を見張る。白い胴体に茶色い腕、緑色の瞳に小さな羽。 「ここハルケギニアで見たこと無い生き物なんだ。きみのその大蛇……」 「竜よ」 「竜? そう、その竜と同じように。ぼくのヴェルダンデも図鑑に載っていないんだ」 ギーシュに言われなくてもルイズはそれを理解していた。 勉強は人一倍していた、動物図鑑、幻獣図鑑も穴が開くほど見た。 キングも、そしてヴェルダンデの姿も見た記憶がない。 もそもそと地面の中から抜け出てくると、ギーシュが抱きついた。 大きさはおおよそ50サントほどだろう。小型犬程度の大きさだ。 顔に付いている触覚がひくひくと動き、ギーシュの頬を撫でている。 「でも見た限りでは『蝉』の幼虫に似ているわね」 「でもこんなに大きな蝉はさすがにいないだろう?」 ギーシュにそう返されてはルイズは何も言えない。 「……まぁ良いわ、キングに乗っていけばすぐだし……今日中にはラ・ロシェールの町には着きたいから、そろそろ行くわよ。」 傍らに置いてあった袋を拾い上げ、ギーシュに渡した。 「これは……?」 「乗せてあげるんだからこれくらい持ちなさいよ。男でしょ」 そう言われては返す言葉もなく、ギーシュは素直に受け取った。 そして、ルイズの意図をキングは即座に把握、しっぽに乗るように促す。 その後を袋とヴェルダンデを抱いたギーシュが続く。 ゆっくりと飛行するキングの上で、ギーシュは袋を抱いたまま聞いた。 「ところでルイズ聞いても良いかい」 「なによ」 「この袋の中身はなんだい?」 「破壊の小箱よ」 ルイズはさらっと応えた。 ☆★ 突然空に現れた蒼い影に、ラ・ロシェールの町はざわめき立つ。 しかしそこから降り立ったモノの格好を見て全て把握した。 なんだ、メイジの使い魔か、と。 ただ、その使い魔がどれほどのモノかを理解できるモノがそこにいいなかったのは、幸か、不幸か。 ラ・ロシェールでいちばん良い宿『女神の杵』亭にてルイズとギーシュは宿を取ることにした。 「ずいぶん早く着いてしまったね。君の竜はすごいな」 ギーシュの言葉にルイズはふふんと胸を張った。 「でもアルビオンへの船が出ないというのはちょっと痛いわね」 「考えても見れば。明日はスヴェルなんだから予想できなかったのがおかしいね。二人揃って」 「間抜けね二人揃って。明後日まで足止めか……はぁ~」 「………せっかくだから町でも見て回らないかい?」 ギーシュの誘いにルイズが眉を顰める。 「モンモランシーはどうしたのよ……」 「レディーをエスコートするのは貴族のたしなみじゃないか。無理にとは言わないけれど。どうぞお手を……」 要約すると目的は姫様の依頼であって下心はないという。 それはそれでなんかむかつくけれど。 「まぁいいわ。ミスタ。ぜひエスコートをお願いするわ」 差し出されたギーシュの手を取ると、ギーシュは嬉しそうに笑った。 しかしそんな至福のひとときは、宿を出ようとしたとき、先導するギーシュが丁度入ってきた男とぶつかることで終わった。 「はぁっ、はぁっ、はぁっ………ルイズ、ぼくのルイズ!」 息も絶え絶えで入ってきたオッサンの剣幕にギーシュは押され気味になった。 しかし、ルイズの名を呼んでいるからには知り合いだろうか、と思いつつ後ろを振り返ると目を丸くしていた。 ☆★ ヴェルダンデを背負い、ギーシュは一人で町を見て回っていた。 宿に突然やってきた男、名をジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドといった。 爵位は子爵。婚約者だ、と言うことには少々驚いたけれど、十代で結婚する女子は珍しくはない。 領地はヴァリエールと隣とのこと、それを聞いてギーシュは納得する。 それほど感慨はなかった、ホントにすこし驚いた程度だった。 それよりも今気になるのは、両手に持つ小箱だった。 ルイズの使い魔、キングは宿には入れないため、屋根に鎮座している。 屋根の上でとぐろを巻いているその光景は圧巻だったが。 ルイズと話がある、と言うことでワルドと二人っきりにした。 宿から出たときに、屋根の上のキングに呼び止められ、この二つを落としたのだ。 破壊の小箱、ルイズが言うには、それを使った途端キングが眩い光の魔法を放ったとのこと。 だとしたら同じようにコレを使えば、魔法を使えるのだろうか。 けれどルイズは人間には使えないと言った。 どうやら自分で試したらしい。 君は元々使えないじゃないか、と言ったら。キュルケやタバサでもダメだったのよ、とのこと。ならば確実だろう。 横のスイッチを押すと起動するらしい、押してみる。 ぴんぽん。と音を立ててぱかっと開く 「わざマシンを起動します………中には『まもる』が記録されています。『まもる』をポケモンに覚えさせます。よろしければもう一度ボタンを押してください。キャンセルする場合はリセットボタンを押してください」 意味のわからない言葉の羅列ただルイズが『ポケモンと言う単語が気になる』と言っていた。 手の平の中で、もう一度押してみる。 ブブー、と言うエラー音がなり、何事かのアナウンスの後、ぱたりと閉じる。 もう一度押すと再度開いてアナウンス。しかし二回目を押すとブザー音。 「なんなんだろうねこれ」 ギーシュはそう笑いながら、小箱を持った手を背中のヴェルダンデへ見せようと伸ばす。 ててててん。 「『まもる』を覚えさせました」 さっきまでと違ったアナウンスがなり、ぱたりと閉じてしまう。 しかし、こんどは横のボタンを何度押してもうんともすんとも言わない。 「……まいったな、壊れてしまったのだろうか……ルイズになんて言おう………」 ☆★ 「あら、ギーシュおかえり」 軽く三時間ほどの散策を終えて帰ってきたギーシュを向かえたのは、キュルケだった。 「なんで君がいるんだい?」 ギーシュの言葉にキュルケは応えず、代わりに他のテーブルに座っているルイズを指した。 「朝でかける時見てたって言うのよ。それでタバサ起こして追いかけてきたんだって。ホント迷惑……」 ルイズが嫌そうに説明する。 「何よぉ、心配して追いかけてきてあげたんじゃない」 「別にあんたに頼んでないわよ!それにコレはお忍びなのよ」 「お忍びぃ?その割にキングが看板になってるじゃない、目立ちまくりで遠目でもわかったわよ」 キュルケのその言葉にぐっとルイズは言葉を飲んだ。 それは確かにその通りだった、キングの巨体が屋根でくつろいでいるため、町のあちこちから確認できる有様。 ギーシュはそれを目印に散策をしていたのだ。 「そうだルイズ、ちょっと君に話したいことがあるんだが………」 ギーシュがそういうと、ワルドの目が光る。 ちなみにキュルケの瞳も、何か面白いモノを見つけたような輝きをもっている。 「ここではちょっと………外で良いかい?」 ワルドの目がなおさら光り、ギーシュが思わず身じろぎする。 「……何よ急に……まぁ良いわ」 ルイズが席を立って外へ向かう。 「ルイズ。何かされたらすぐ呼びたまえ。婚約者を守るのはぼくの義務だ」 ワルドの発言にギーシュもルイズも紅潮する。 ルイズは婚約者発言に、ギーシュは弁解のために、である。 「で、なによ。ワルドやキュルケに聞かれちゃまずい話なの?」 「………これを」 ギーシュは何か考えた仕草の後、マントの内側から小箱を取り出す。 「これって……破壊の小箱じゃない。あれ? キングに預けてたはずだけど……なんであんたが持っているのよ」 宿を出たとき落ちてきたことをギーシュが話す。 そしてキングに投げ返したら、息をふって吐いて跳ね返したことも。 「………キングの『持ってろ』って事かしら……あのこ使い方わかるみたいだし………」 キングに刻まれたルーン、フーケを捕獲した後、学院長室で話したことを思い出す。 神の知識『ミョズニトニルン』あらゆるマジックアイテムを使いこなしたとされる伝説の使い魔のルーン。 だから、キングは破壊の小箱の使い方を知っていたのだろうか。 ギーシュから渡された小箱を、かちっとスイッチを入れる。 「……………あら?」 カチカチと押すが全く反応を示さない。 「あぁ、その事なんだが………実はボタンを押したとき、ヴェルダンディに近づけた後で全く動かなくなってしまったんだよ……それでだね……」 ギーシュが言うには、学院に納められている破壊の小箱がどれほどの価値があるのかと言うことだった。 壊してしまったからには弁償する必要があるかもしれない、戦々恐々するのも仕方ない。 しかしルイズは手元の『故障』した小箱をじっと見つめている。 「………違う……」 「え?」 「コレは『使い捨て』なのよ。一回しか使えないの。フーケを捕まえたときの小箱もそうだったわ。全然反応しなくなっちゃうのよ」 でも、人間には使えない……フーケが使ったのはたぶん壊れていたんだろう。起動時のメッセージにノイズ入っていたし。小箱自体にもヒビ入ってたし。 じゃぁ、いったい何に使ったんだ? ルイズは顔を上げて、ギーシュの背中に負ぶさっているヴェルダンデを見やる。 「………『ポケモン』……」 「なんだって?」 「この道具、小箱を使えるのはポケモンって言う生き物なのよ。きっとわたしのキングも貴方のヴェルダンデも『ポケモン』なのよきっと」 「………本当かい?」 「確証はないけど、たぶん壊れたんじゃなくて『使えた』だけなのよ。おそらくヴェルダンデに反応したんだわ」 「そういえば……ヴェルダンデに近づけた途端、こう……『ててててん』と言った音楽が」 「それよ、キングの時も同じ音が出たわ。間違いない、きっとそうよ」 「じゃ、じゃぁ。つかぬ事を聞くがミス・ヴァリエール。その………ぼくのヴェルダンデも君のキングみたいな姿になってしまうのかい?」 「………そこまでは知らないわ、ほとんど推測だもの。でも可能性はあるんじゃないかしら………ちなみにシルフィードにも使えなかったのよ?」 「そうか………変わってしまうのか………可愛いヴェルダンデ………」 呟きながらギーシュはキングの姿を思い浮かべる。 今思えば、赤い魚だった頃は愛敬があった気がする。それが今は蒼い鱗の大蛇……竜とのことだ。 確かに鱗は綺麗だが、可愛いとは言いきれない。 「………たとえヴェルダンデの姿が変わってもぼくは愛し続けるよ!」 ギーシュは改めて決意表明をすると、ルイズは苦笑した。 「小箱に関しては大丈夫よ、コレは姫様から学院長に直接言って貰って持ってきたモノだもの」 ルイズがそういうと、ギーシュはほっと胸をなで下ろした。 「そうかっ、いやーよかった………一時はどうなることかと……」 「話は終わり?」 「……いや実はもう一つあるんだ」 そう言ってギーシュはマントの中からまた別の小箱を取りだした。 「ギーシュ貴方……これって………?」 「町を歩いているときに見つけた。似てるな、と思って手にとったら……ほらここの文字、書いてる文字が違うだろう? 聞いてみたら使い方がわからないと言うことで格安で譲ってもらったんだ」 ルイズがその小箱を起動させる。 「わざマシンを起動します………中には『みがわり』が記録されています。『みがわり』をポケモンに覚えさせます。よろしければもう一度ボタンを押してください。キャンセルする場合はリセットボタンを押してください」 ルイズは小箱をヴェルダンデへ近づけ、ボタンを押した。 「『みがわり』を覚えさせました」 ☆★ 「部屋を三つとることにした。ぼくとルイズが相部屋、君と君が相部屋、それと……」 「ギーシュ・ド・グラモンです。子爵」 「ミスタ・グラモンは一人部屋だね、コレでよいだろうか?」 ワルドのその言葉に、キュルケは依存無しと頷き、タバサは興味が無さそうだった。 ただルイズだけが慌てていたが、正直ギーシュはどうでもよかった。 後から来て仕切られるのは正直癪だったが、相手がグリフォン隊の隊長では分が悪い。 だが一人部屋だと落ち着くし、考えたいこともあったから部屋割りに関しては異論はない。 懐の、キングから渡されたもう一つの小箱を握りしめながる。 部屋に入って肩を揺らすと、ヴェルダンデは大人しく床に降りる。 ベッドに腰掛けたギーシュの正面に向かい、じいっと見上げる。 「君は、一体何なんだい?」 ギーシュはヴェルダンデを見下ろしてそう呟くが、彼の使い魔はその問いに応えずじっと見上げるだけ。 ルイズは『蝉』に似ていると言った。たしかに、蝉の幼虫は地中に済んでいる。 『蝉』ならば、成長するのは当然だろう。 そう考えると、ギーシュの心臓は期待に高鳴っていくのがわかった。 世界でたった一つの自分の使い魔。 成長する使い魔。姿を変える使い魔。赤い魚だったルイズの使い魔は、今や空を自在に駆ける竜になっている。 自分の使い魔はどんな姿になるのだろうか………。 ベッドに横になると、ヴェルダンデがもそもそと上がってくるのがわかった。 「あぁ………可愛いヴェルダンデ、今日は特別に一緒に寝ようか……ぼくも疲れたし」 小箱をベッドの隣の棚の上に置き、指を鳴らしてランプを消す。 目を閉じると、眠気が急に襲ってくる。 隣はルイズと子爵か……声が聞こえる、まだ起きているのか………。 すう、とギーシュは眠りの深淵へと沈んでいった。 ☆★ 翌朝ギーシュが起きてくると、ルイズがワルドの腕に包帯を巻いているところに遭遇した。 「ふわ………何があったんだい?」 あくびをしながらギーシュが訊くと、ルイズが応える。 「ワルドがキングの力を見たいって言いだしたのよ。直撃はしなかったんだけど破片が当たって……」 「この様というわけさ……ルイズの使い魔が彼女を守れるだけの力があるかどうしても気になったのでね」 「………任務前にするような事なのかい?」 ワルドが来た理由は既に訊いている。アンリエッタから護衛にと任命されたらしい。 昨日の朝で合流する予定だったらしいが、キングのことを話していなかったため、おいていってしまったのだ。 慌ててグリフォンで全速力で追いかけてきたらしい、到着直後の息切れはそれが理由とのこと。 だが、極秘任務を前に力量が見たいという理由で怪我をするのは隊長としてどうかと思った。 「………面目ない」 「それでどうなったんだい?」 「どうもこうもないわ。キングが口を開いたら………まぁ、見てきた方が早いわよ。外出て右、10メイル行ったところの路地の奥よ」 「ヴェルダンデ」 使い魔を呼ぶとぴょいっと飛んで背中にしがみつく。 言われた場所へ行くと、キュルケとタバサの後ろ姿があった。 足音に気付いたキュルケが振り返り「遅かったわね」と言った。 「これは…………一体」 唖然とするギーシュの目の前にあるのは、完全に凍り付いた樽や木材と、壁だった。 「氷………あの使い魔は風と水の魔法を使えるのかい………?」 「違う」 「違う? 違うってどういう事よ」 「魔法じゃない」 タバサの言うとおりだ。 風と水のスペルを混ぜて発動する魔法、ウィンディアイシクルは空気中の水蒸気を一瞬にして凍結、槍のようにして飛ばす呪文だ。 タバサが得意としているスペルもそれ、だがそのスペルとは全く違う効果が、目の前にあるのだ。 空気中の水蒸気を凍らせることはタバサでも出来る。 しかし壁一面を凍らせるのはどんなメイジでも不可能だろう。 これほどまでの大規模な凍結は、もはやエルフの先住魔法くらいでは…………。 誰が示し合わせるわけでもなく、屋根の上のキングに視線を向ける。 キングは何事もなかったかのように屋根の上に鎮座し、瞳を閉じている。 ☆★ その夜、襲撃があった。 明日がアルビオンに渡る人言うことで盛り上がっているときの襲撃である。 突然衝撃音が外から鳴り響いた、そしてキングの咆吼。 窓から外を見ると巨大なゴーレムとキングがぶつかり合っているのが見えた。 「フーケ!」 ルイズが叫ぶと、高笑いが帰ってきた、嵌りすぎである。 「ほーっほっほっほ、またあったわねジャリガールズ。覚えてたのね、感激だふわぁ~~~~」 「あんた牢屋に入ってたんじゃ……」 「親切な人が出してくれたのよお、でわたしはその人のお手伝いって訳」 「お節介なひとがいたものね」 宿屋の一階は酒場、情報交換も兼ねている場所だが、そこは既に修羅場とかしている。 フーケに加え、多数の傭兵が押し寄せている。 それをキュルケやタバサ、そしてギーシュが応戦している。 応戦しながらワルドが言う。 「こういう場合は、半数が目的地に行けば勝利とされる」 タバサがこんな時まで読んでた本をぱたんと閉じる。 「囮」 己と、キュルケ、ギーシュを指して短く言う。 「桟橋へ、今すぐ」 と、ワルドとルイズを指していった。 「決まりだな。裏口へ回ろう、そこから桟橋へ向かう。今からここで彼女たちに敵を引きつけてもらう。程よく暴れて目立ってもらう」 「ま、仕方ないわね。あなた達が何しにアルビオンに向かうのかすら判らないし」 「うむむ、ここで死ぬのかな。どうなのかな……死んだら姫殿下とモンモランシーにあえなくなってしまう、それは辛いな…」 「行って」 キュルケ、ギーシュ、タバサからの後押しにもルイズはすこし躊躇する表情を見せたが結局はワルドに手を引かれてそのまま向かった。 ☆★ ヴェルダンデを背中に負ったまま、ギーシュは目前の光景に目を丸くしていた。 キュルケに厨房の油を取ってくるようにいわれ、ワルキューレに取りに行かせた。 すぐさま外から矢が射られるが、青銅のゴーレムを貫通するには至らない。 ワルキューレが油の入った鍋を掴んで持ってくると、キュルケは化粧をしながら「入り口の方へ投げて」といったのだ。 言うとおりに投げると、キュルケは即座に魔法をかけて火の海に変えた。 化粧を終えたキュルケがテーブルの上に躍り上がった。 それはさながら、舞台に上がった売れっ子スターのように。 入り口を覆う炎が、キュルケを照らすスポットライトのように。 烏合の衆たる傭兵達は、そんな事態に右往左往するだけだった。 だらしない傭兵を眼下に望みながら、フーケはゴーレムの上で舌打ちした。 「ったく、やっぱり金で動く連中は使えないわね。あれだけの炎で大騒ぎとは」 「だがそれでよい。倒さなくても構わぬ。分散すればそれでいい」 フーケの言葉に、隣に立っていた白マントが応えた。 「あんたはよくてもこっちは構うわよ。あいつらのおかげで恥をかいたし」 それに、と呟きながらフーケは目の前に鎮座する蒼い竜を見つめる。 凶悪なその表情にほぼ膠着状態。 あのミス・ヴァリエールの使い魔。ゴーレムを一撃で倒したとんでもない魔法。 あんな魔法を撃たれたらゴーレムなんて一撃で破壊される。 いま撃ってこないのはおそらく、町を背後にしているからだろう。 撃ったら貫通どころか町一つ消滅しかねない。 「忌々しいねぇ……全くよくできた使い魔だよ……」 主の命に従い、主の意思をよく汲み取る。確かにあのミス・ヴァリエールは町の被害が増えるのを厭うだろう。 そう言う生徒だった、秘書をしていた頃に何度か会っているからそれはわかる。 「……後は任せた。俺はラ・ヴァリエールの娘を追う」 「わたしはどうしろって言うのよ」 「好きにしろ、残った連中は煮るも焼くもお前の勝手だ。合流は例の酒場で」 白マントはそう言い残し、ゴーレムの肩から風に包まれてふわりと消えた。 「全く勝手な男だね……しかし好きにしろって………いぃっ!?」 正面のキングに向き直った途端、その口にに淡い光りが収縮するのを見た。 「ちょっ、まさかこんなところで!」 思い出されるのは『破壊光線』。 ゴーレムを一撃で吹き飛ばしたあの破壊の光。 慌ててフーケはゴーレムから飛び降りる。 冗談じゃない、あんな攻撃、避けるのも耐えるのも不可能だ! 着地した途端、キングの口から蒼い光線が発射された。 ☆★ 「ほーっほっほっほっほ! おーっほっほっほっほっほ」 高笑い第二弾、酒場でキュルケがビシッとポーズを決めていた。 「見た? わかった? あたしの炎の威力を! 火傷したくなかったらお家に帰りなさいな~」 物凄く上機嫌である。 アンリエッタが学園に来る前、『疾風』のギトーの授業の時に吹き飛ばされたことを気にしていたようだ。 改めて火の威力を誇示できて大満足しているようだ。 「あっちも終わったようだね」 ギーシュの視線の先には、キングと相対するフーケのゴーレムが氷漬けになっているのが見えた。 ビシッ、と亀裂が入り崩れ落ちるゴーレムに、傭兵達は散り散りになって逃げようとする。 「逃げるんじゃないよ!」 そんな傭兵達にフーケからの一喝が入る。 そして、周囲の石を錬金、土へと変えて即座の新たなゴーレムを作り上げた。 「町中には石しかないと思ったかい? 石も岩も、突き詰めていけば『土』なのさ! いくよっ!」 そう言ってフーケはゴーレムをキングへ襲いかからせる。 てっきり倒したものと思ってゴーレムに背を向けていたキングは、その不意打ちに対処できずに地面へ落ちた。 「取ったっ!」 無骨な土で作られたゴーレムが、その腕をキングの頭へと振り下ろす。 「GYAOOOOOOOON」 ゴーレムを振り払おうとキングが体を動かすが、完全に腕を押さえつけられてしまって対処できない。 「油断大敵さ、くたばりなぁっ!」 その時だ。 ボコンッ 「………は?」 ぐらりとゴーレムの体が傾く。フーケが見下ろすとゴーレムの右足のあった場所にぽっかりと穴が開いている。 ボコンっ フーケの足下から変な生き物が現れた。 「なんだいあんた……」 もそもそとはい出てきて、その生き物は腕のようなモノを振り上げて………。 フーケが慌ててそいつに攻撃しようとした瞬間、そいつはその腕をフーケの腹にぶち込んだ。 ゴーレムが完全に崩れ落ちたのを見るや、傭兵達は士気も皆無に等しく、クモの子を散らすように逃げていった。 そして、キングがふらふらと飛び上がって、宿へと向かってくる。 その頭にヴェルダンデが乗っているのを見て、ギーシュは激しく驚いた。 ヴェルダンデはぴょんとジャンプし、ギーシュに飛びつく、ずいぶん懐いているようだ。 「なるほど……地面の下を行って奇襲したのかい。フーケは……なるほど」 「なんですって?」 「フーケは気絶したようだ! ぼくのヴェルダンデがフーケを仕留めたんだ!ぼくの……」 大喜びするギーシュをよそに、キングはくるりと背を向けてルイズを追おうとする。 どうやら船は出たようだ。 アルビオンが近づくのは明日のはずだったが、早めに出向させたのだろう。 「まってくれ!」 飛び去ろうとするキングを、ギーシュが呼び止める。 ヴェルダンデを定位置、背中に負ぶさって、更に続ける。 「ルイズを追うんだろう!? ならばぼくも連れて行ってくれ!」 ギーシュはそう宣言すると、振り返ってタバサとキュルケに謝罪した。 「後のことを押しつけるような形で済まない。ワルド子爵も負傷しているし。ルイズは魔法が使えないから先にぼくは追うよ」 「構わない」 ギーシュの言葉にタバサは短く承諾する。 気絶しているというフーケもちゃんと捉えなければならない、その為すぐ全員で向かうのは好ましくない。 「しかたないわね……あんたは事情知ってるみたいだし。ま、ここはあたしらに任せておきなさい」 そう言ってキュルケは投げキッスを送り、ギーシュはすこし恥ずかしそうに笑った。 ☆★ 散り散りになった傭兵は正直どうでも良い。 重要なのはフーケの方であった。 キュルケとタバサはすぐさまフーケの倒れている場所へと向かう。 そこには、苦悶の表情を浮かべて倒れ伏しているフーケの姿があった。 「……にしても、あれだけでかいゴーレムをキングに倒されたのに、その直後に石を土に錬金して更にゴーレムをつくるってどういう手品を作ったのかしら」 そう、それが不思議だった。 あの質と大きさのゴーレムを作る場合はトライアングルクラス以上だろう。 しかし一度破壊されてもう一度作り直すならスクウェアは必須である。 ちなみに一度崩してもう一度組み直すのは問題ない。魔力は崩しても通り続けているからだ。 破壊された場合はもう一度魔力を込める必要がある、それをフーケは容易くやってのけたのだ。 「これ」 倒れているフーケの周りにコロコロと転がっている青と灰色の物体。 拾ってみると結構軽い、そして硬い。 「何かしらコレ……」 鼻を近づけて匂いを嗅ぐと、ふんわりとしたいい匂いがする。 「フーケなんでこんなモノを……」 「………美味しい」 タバサからのその言葉にキュルケは慌ててそちらを見ると、タバサがそれを歯で齧っていた。 「木の実」 「木の実? またえらく毒々しい木の実があったモノね」 「美味しい」 そう言ってタバサは齧りかけをキュルケに差し出した。 「さっぱりする」 さっぱりってどういう事よ、と思いつつキュルケはその皮を削って一口噛んでみた。 確かに目はさっぱりした気がするが、渋い。 前ページ次ページゼロの登竜門
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前ページ次ページゼロの登竜門 ゼロの登竜門 第二章 『土から鉄、そして鋼へ』後編 翌朝、ギーシュは一足先に礼拝堂へと来ていた。 礼拝堂に入った途端、ヴェルダンデはその背中から飛び降りて、壁をカサカサと上った。 そしてその場でピタリと止まって微動だにしなくなった。 「やぁ、もう来てたのかい」 皇太子の礼服を身に纏ってウェールズが現れる。 紫のマントが王族の象徴、そして頭に載せた帽子には王家の象徴たる七色の羽がついている。 「君は………よかったのかい?」 「………はい?」 ウェールズから声をかけられてギーシュは素っ頓狂な声を上げた。 「ミス・ヴァリエールは、君の恋人だったんじゃないのかい? それが結婚するということになって……」 「ぼくとルイズはただの友達ですよ。特別な感情はありません」 ギーシュの言葉に、ウェールズは驚いた表情でじっとみつめてきたがやがて納得した様子で「そうか」と言った。 「どうやら君には心に決めた人が居るようだね」 ウェールズの言葉にギーシュは応えず、視線をそらして壁に張り付いているヴェルダンデを見やった。 身じろぎしないヴェルダンデの様子がきになったが、丁度ルイズとワルドが入ってきたので扉へと視線を向けた。 ギーシュから見て、ルイズは相当まいっているように見えた。 昨日あれだけ話したのにまだへこんでいるようだ、この調子で結婚式なんてまともに出来るのだろうか、不安に思う。 顔を俯かせたまま、ワルドに促されるままにブリミルの像の前に立つウェールズに向かい合った。 ワルドがルイズに何かを囁き、ウェールズから新婦用の冠を借り受けてそれをルイズの頭の上に乗せる。 魔法の力によって永久に枯れることのない花があしらわれている、簡素ながらも美しく、清楚な冠だ。 そしてワルドはルイズの学生用の黒いマントを外し、純白のマントを纏わせる。 これも王家から借りた新婦用の乙女のマントだ。 しかしルイズは着飾られているというのに反応が薄い、いまだに心の中では葛藤が渦巻いているようだ。 所がワルドは、そんなルイズの様子を肯定の意思表示と受け取ったようだ。 すこし、ギーシュは眉を顰めた。 ブリミル像の前に立つウェールズに向かい合い、ワルドは一礼した。 ワルドの格好はいつもと同じ、魔法衛士隊の制服。 「では、式を始める」 ウェールズの声はルイズの耳にも届く。 しかし彼女にとっては、はるか遠くで鳴り響く鐘楼のように現実感のない響きだった。 「新郎、子爵ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。汝は始祖ブリミルの名においてこの者を敬い、愛し、そして妻とすることを誓いますか」 ウェールズの詔を、ギーシュは椅子に深く腰を沈めたままぼんやりと聞いていた。 ウェールズの言葉にワルドは即座に答えた。誓う、と。 そして次はルイズに向かって、同じように唱える。 自分の名を呼ばれ、ルイズはようやく今結婚式を行っていることに気付いた。 相手は幼い頃憧れていたワルド。お互いの父が交わした結婚の約束。 幼かった頃ぼんやりと夢想していた未来。それが今現実となろうとしているのに。なぜ嬉しくないのだろう。 滅び行く王国を目にしたからだろうか。 愛するものを捨て、死に向かう王子を目の当たりにしたからだろうか。 なぜこんなにも心が痛いのだろう。好きな人と結婚できるのに、友達が見守って居てくれるというのに。 ちらりと、椅子に座るギーシュに視線を向けると、笑顔を返してくれた。 そう、心の底から祝福してくれていることがわかった。 薔薇の造花の杖を取りだして、ギーシュはそれを振って薔薇の花弁を吹雪かせた。 友の門出に、今日というめでたきに日に。そう、それは太陽の光をたっぷり浴びた、麗しき一輪の華。 「新婦?」 ウェールズが心配そうに顔を覗かせると、慌ててルイズは顔を上げる。 もはや式はルイズの与り知らぬ所まで進んでいる。どうすればいいのだろう。こう言うときはどうすれば……。 椅子に座る友を見るが、答えは既に出ている。 女性を守る棘は既に役目を終えている。 後はどうするか、どう進めるかはルイズの判断に委ねられるのだ。 「緊張しているのかい? 大丈夫、初めての時はどんなことであれ緊張するモノだからね」 ルイズを安心させるように、にっこりと笑った。 「コレは儀礼に過ぎぬが、儀礼にはそれをするだけの意味がある。では繰り返そう。汝は始祖ブリミルの名においてこの者を敬い、愛し、そして夫として………」 誰も応えてくれない、ならば自分で応えるしかない、自分で決めるのだ。 一人じゃない。一人だけ先に進むわけにはいかない。 友が居る、仲間がいる。それを置いていくことは出来ない。 傍らに咲いている薔薇を、見逃す事なんて出来ない。 「新婦?」 「ルイズ?」 怪訝な顔でルイズの顔を覗き込む。ルイズはワルドに向き直って悲しげな表情を浮かべ、首を振った。 「どうしたんだ。ルイズ、気分でも……」 「違うの、違うのワルド。ごめんなさい……」 「具合が悪いなら改めて……」 「そうじゃない、そうじゃないの。ごめんなさい。わたし貴方とは結婚できない」 そう、自分はまだ蕾ですらない。 貴族としての誇りのみ立派で、魔法も使えない、強い使い魔を得て有頂天になっているだけ。 そんな自分が、結婚して、妻となることに、どうしても納得がいかない。 「新婦はこの結婚を望まぬのか?」 ウェールズの言葉にルイズは向き直って、力強く頷いた。 「お二方には、大変な失礼をしたす事になりますが、私はこの結婚を望みません」 突然の自体に、ギーシュも目を丸くする。気を利かせて薔薇の花弁を舞わせたのに。 ワルドの顔にさっと朱が差したのを、ギーシュは見逃さなかった。 「子爵………真に気の毒だが花嫁が望まぬ式を続けるわけにはいかない……」 ウェールズのその言葉を無視し、ワルドはルイズの手を取っていった。 「緊張して居るんだ。ルイズ、きっとそうだ、君が僕との結婚を拒むわけがない」 「ごめんなさい。ワルド、憧れだったの。もしかしたら恋だったのかもしれない。でも、今は違う」 そう、ルイズが憧れているもの、それは孤高の内に咲く花のような高貴さ。 ワルドの視線が一瞬だけギーシュに走ったかと思うと、突然ルイズの肩を掴んだ。 その目がつり上がり、表情が優しかったいつものモノから冷たい、爬虫類を思わせるノに変わった。 「世界だ! 僕は世界を手に入れる! その為に君が必要なんだ!」 ワルドの豹変に怯えながらルイズは首を振る。 「……わたし、世界なんていらないもの……」 欲しいものは、女性を守るためにあると胸をはって言った、彼のような誇り高さ。 「アイツか! あの小僧が!君をたぶらかしたのか! 君を!」 ワルドの豹変に、敵意を向けられたギーシュも怯える。 いったい何が起こっている、子爵は一体、何を考えているのだ。 「ギーシュは……関係ないわ。わたし個人の問題よ」 「僕には君が必要なんだ!君の力が! 君の能力が!」 ワルドの剣幕にルイズは恐慌する。優しかったワルドがこんな顔をして叫ぶなんて夢にも思わなかった。 「ワルド………あなた……」 「子爵……君は振られたのだ、いさぎよく……」 ルイズに詰め寄るワルドの剣幕にウェールズはとうとう見かね、間に入って取りなそうとする。 しかしワルドはその手をはねのけた。 「黙っておれ!」 ワルドの言葉に驚き、ウェールズは立ちつくす。 ワルドはルイズの手を握る。その手つきは、まるでヘビが絡み付くような嫌悪感をルイズに感じさせた。 「ルイズ! 君の才能が僕には必要なんだ!」 「わたしそんな立派なメイジじゃないわ! まともに成功させたのはサモン・サーヴァントとコントラクト・サーヴァントくらいだもの」 「だからそれは君が自分で気付いていないだけなんだ!」 ワルドの手をふりほどこうとするが、凄い力で握られていてそれもままならない。苦痛に顔を歪めるがワルドに構う様子はない。 「わたしの才能? 冗談じゃないわ。そんな結婚死んでも嫌。今わかったわ、貴方わたしをちっとも愛して居ないじゃない。貴方が愛しているのはアリもしないわたしの魔法の才能だけ……そんな理由で結婚しようなんて、こんな侮辱はないわ!」 握られた手をルイズは渾身の力を込めてふりほどく。 そしてウェールズがワルドの肩に手を置いて引き離そうと試みる。が、今度は突き飛ばされた。 苦痛に表情を歪めたが、即座にウェールズの顔が怒りに赤が走る。 そして立ち上がり、杖を抜いた。 「なんたる無礼! なんたる侮辱! 子爵、今すぐラ・ヴァリエール上から手を離したまえ! さもなくば我が魔法の刃が君を切り裂くぞ!」 ウェールズの脅し文句に、ワルドはやっとルイズの手を離した。 優しい笑みを浮かべてワルドはルイズに話しかける。 「ここまで僕が言ってもダメかい? ルイズ。僕のルイズ」 とても優しい微笑みだったが、それは石膏で塗り固められた嘘の仮面だと、その場にいる誰もが理解できた。 「イヤよ。誰が貴方と結婚なんかするもんですか」 はぁ、と溜息をついてワルドは天を仰いだ。 「この旅で君の心を掴むためにずいぶん努力したんだが………」 ワルドの視線がギーシュを睨み、ギーシュは思わず身をすくませる。 ウェールズが杖を抜いているため、ギーシュもその薔薇の造花をワルドに向けている。 「こうなってしまえば仕方ない。ならば目的の一つは諦めよう」 「目的ですって?」 ルイズの言葉に、ワルドは唇の端を釣り上げてどす黒く邪悪に染まった笑みを浮かべた。 「この旅における僕の目的は三つあった。その二つが達成できただけでもよしとしなければな……」 「目的って………ふたつ? どういう言う事よ」 なおも笑みを絶やさないワルドの不気味さに心をかき乱されながらもルイズは尋ねた。 ワルドは右手を上げ、人差し指をピンと立てた。 「まず一つは君だ。君を手に入れることだ。しかしコレは果たせないようだね」 「当たり前よ!」 次にルイズは中指を立てる。 「二つ目はルイズ、君のポケットの中のアンリエッタの手紙だ」 その言葉にルイズははっとする。 「ワルドあなた……!」 「そして三つ目は……」 ワルドの『アンリエッタの手紙』という言葉で全てを察したウェールズが、杖を構えて呪文を詠唱した。 それはほんの僅かな逡巡。 ドットでしかないギーシュが為す術もなく成りゆきを見守るしかできなかったのは、誰にも責められることではないだろう。 視界を眩い光が覆い、ワルドは即座に己の杖を引き抜き、自らの二つ名『閃光』に相応しき速度で呪文の詠唱を完成させた。 ワルドは風のように身を翻らせ。ウェールズの胸を青白く光るその杖で………貫けなかった。 ワルドとウェールズの間に己の身を滑り込ませていたのは、ギーシュの使い魔『ヴェルダンデ』の姿。 ヴェルダンデは己の身を以てワルドの凶刃を防いでいる。 しかしワルドはヴェルダンデの体を貫通したまま、そのままウェールズの心臓を貫いた。 ぐふ、とウェールズがうめき声を上げる。 「ヴェルダンデ! よくも!」 己の使い魔が場に介入した事で、ギーシュはようやく現状に追いついた。 杖を振ってワルキューレを召喚しようとするが。それはワルドが放った風によって阻まれる。 エア・ハンマー、風系統の中でも初歩の呪文だ。 しかし、スクウェアクラスのワルドが放てばそれは圧倒的な破壊力を持つ。 礼拝堂の椅子ごと吹き飛ばされ、ギーシュは壁に激突しげふっと息を吐いた。 「薄汚い小僧が。この僕の邪魔をするのは許さん……虫けら共々粉微塵にしてくれる」 この間、十秒にも満たないやり取り。 「ヴェル……ダンデ………」 朦朧とする意識の中。刺し貫かれたヴェルダンデの体は、まるで空気に溶けるようにすう、と消えていった。 ギーシュの頭の中に在るのは、使い魔に対する申し訳なさだった。 あと少し速く動ければ、あと少し、もう少し速く子爵の策略に気付けば、ヴェルダンデを死なせずに済んだのに。王子を、友を死なせずに済んだのに。 「………!?な、なんだこれは!」 驚いたようなワルドの言葉にギーシュは何事かとまぶたを開けた、朦朧とする頭を叱咤し、必死で脳に情報を取り入れる。 すると、ヴェルダンデの体と同様に、空中にすう、と消えるウェールズの肉体があった。 ありえない、いったい何が起こっているんだ!? 死んだモノの肉体が消えると言うことなど有り得ない。虫けらは使い魔だからだと思っていたが、ウェールズも同じ反応するとは常識では考えられない。 ZIZIZIZIZIZIZIZIZIZIZIZIZIZIZIZI……… それは、単なるノイズに感じられた、音源は、上空! 「エア・ハンマー!」 上空から放たれた魔法、一瞬反応がおくれワルドは吹き飛ばされた。 そして魔法を放った物は着地する。 「ウェールズ様!?」 そう、ウェールズだった。一体いつの間に上空へといったのか。それは頭上を見ればそこに答えがあった。 ZIZIZIZIZIZIZIZIZIZIZIZI 高速で奏でられるは透いた四枚羽根の多重奏。 赤く見下ろすその瞳は限りなく無表情。 「ヴェル………ダンデ…………なのかい?」 ふと、さっきまでヴェルダンデがひっついていた壁に視線を向けると、そこには抜け殻だけがあった。 さっき貫かれたあのヴェルダンデは一体何だったのだろうか。そう思うがすぐに打ち払う。 ヴェルダンデが生きている、ただそれだけでギーシュはよかったのだ。 色彩は頭部が黄色く胴は濃紺。 胸から伸びた灰色の爪はとても鋭い。 ギーシュの問いに応えるように、それはゆっくりと降りてきて、顔の位置で止まった。 そっとギーシュはその顔に顔を触れると、嫌がるそぶりもなくそれは受け入れた。 「君………なんだね、ヴェルダンデ……よかっ、よかった………生きて……」 使い魔が生きていてくれたことに感極まったギーシュは思わずヴェルダンデに抱きついた。 高速で羽ばたいている背中の羽が、その腕をばしばしと叩いた。 「うぬぅ………何をしたのかわからんが……殺す順序が変わっただけだ。一人ずつ仕留めてくれる!」 瓦礫の中から起きあがったワルドが宣言しながら魔法を放つ、エア・カッターだ。 それに反応したのは、同じ風系統のウェールズ。ではなく、ヴェルダンデだった。 両腕、爪となっているそれを交差させ、ワルドの放ったカッターに対抗する。 鋭く研ぎ澄まされたエアカッターは、スクウェアがはなったともなれば人の骨すらも断ち切る! ところがそんな魔法を、ヴェルダンデはその細い爪二本を交差するだけで耐えたのだ。 「バカなっ! 虫けら如きに防げる魔法じゃないぞ! 僕は『閃光』のワルドだ。風のスクウェアメイジなんだぞ!!?」 ワルドの宣言に、ヴェルダンデはそれがどうしたとばかりに腕を払った。 文字通り無傷。 背中にあるは主とその友。 ここは引かぬと宣言するかのようなその後ろ姿に、ギーシュは涙ぐむ。 透き通ったその羽は、ノイズのような音を立てて羽ばたき、目視すらかなわない。 しゅん、と音を立てたかと思うとヴェルダンデは10mはあるワルドとの距離を詰めていた。 「なっ………」 驚愕に声を上げる暇もなく、その爪を振り上げる。 ワルドはかろうじてレイピアで防ぐ。 「素晴らしい速さだな……なるほど、ではこっちも本気を出そう。なぜ風の魔法が最強と呼ばれるのか、その所以を教育致そう」 ヴェルダンデが斬りかかるが、今度は軽やかに避けて呪文を唱える。 「ユビキタス・デル・ウィンデ………」 呪文が完成すると、ワルドの体がいきなり分裂する。 「ふはははははは、どうだ。コレが風のユビキタス。風は遍在する。風の吹くところ何処と無く迷い現れ、その距離は意思の力に比例する」 突然分身したワルドにルイズが怒鳴る。 「桟橋で襲ってきたあの白マントも貴方だったのね!」 『いかにも。君の心を掴むため一芝居打たせてもらった』 合計五人に増えたワルドが一斉に喋るため、サラウンド効果が発揮される。 戸惑っているのだろうか、ヴェルダンデの動きがすこしぎこちなくなっている。 「所詮貴様は虫けらに過ぎんのだ! メイジに刃を向けることがどれほど愚かなことなのか、その身に教えてやろう」 五つに増えた分身、しかしただの分身ではない。 風の遍在は一つ一つが意思と力を持っている。 実質的には5対1の状態だ。 そしてその五つの遍在が、同時にエア・カッターをヴェルダンデにはなつ。 しかし、当たらない。 何一つ、ヴェルダンデを傷つけられない。 羽化したばかり、まだ本調子でない。 外でキングが咆吼している。 あの巨体はこの礼拝堂には入れないからだ。 その咆吼は、悲しみか、怒りか。 「………キングが怒っているわ。わたし達を騙したワルド、貴方への怒りよ」 ルイズの脅しを、ヴェルダンデの攻撃を捌きながらワルドは鼻で嗤った。 「図体ばかりでかくてここに入ってこれない木偶など怖れるに足らぬ」 ワルドのその言葉にルイズの怒りが燃え上がる。 「その言葉、死ぬまで後悔させてあげるわ」 「まぁ、まちたまえ。ミス・ヴァリエール。子爵、イヤ、裏切り者へはぼくが先約だよ」 ギーシュが一歩前に出て造花の杖を高らかに振り上げた。 「我が唯一無二の使い魔に対し『虫けら』と宣ったその狼藉、断じて許せない。その性根、ヴェルダンデが叩き直してくれよう!」 ギーシュの宣言、そして。ヴェルダンデは応える。 「んなっ!?」 目の前のヴェルダンデの動きが速くなったことにワルドは慌てて反応を早くする。 ヴェルダンデの爪が、ワルドの服を、杖を斬る。 『チィッ……うっとうしいわぁっ!』 ステレオで、ワルドは連激を加えるヴェルダンデへウィンド・ブレイクを放つ。 その魔法はヴェルダンデどころか、椅子の残骸を吹き飛ばし、窓も、ドアも吹き飛ばす。 丁度吹き飛ばされたヴェルダンデがドアから外へと投げ出された。 それを三体の遍在が追い、残る二体がギーシュに相対する。 くるん、と空中で体制を整えてヴェルダンデは三体の遍在と向かい合う。 遍在は誰もが杖を構えて完全な戦闘態勢である。 それに対しヴェルダンデは、羽ばたいたまま、ほぼ宙に静止状態で腕を垂れ下がらせているだけ。 ヴェルダンデに気付いたキングが咆吼を上げるが、なぜか襲いかかると言うことをしなかった。 ヴェルダンデの表情のない紅い瞳が、その複眼がキングをじっと見上げる。 それはほんの数秒の意思の疎通。 たったそれだけ瞳を合わせただけで、キングはヴェルダンデの意図をくんだ。 一人で闘う。主を侮辱したこいつを絶対に許せない。 その思いはキングも同じだった。そしてキングはそれを譲った。 対峙する遍在とヴェルダンデ。 お互いに準備運動は既に終えた。 これからが本番だ。 方や風のスクウェア。方や羽化したばかりの使い魔。 勝負の行方は、既に決まっていた。 ☆★ 『あのような虫けら。三人で十分だ』 「おや。裏切り者はその虫けらに三人も手を裂くのかい、周到なことだね」 ギーシュの挑発に、ワルドの顔がさあっと赤くなる。 『図に乗るなよ小僧!』 「図に乗ってるのは君の方じゃないかな。君がスクウェアとは言え、ぼくら三人を相手に勝てるとでも?」 ギーシュの言葉を否定したのは、あろう事かウェールズの言葉だった。 「い……いや、ミスタ・グラモンどうやら違うようだ」 予想外な人物からの言葉にギーシュは怪訝そうに振り返る。 そしてウェールズがその杖で何かを差しているのを見てそちらへ視線を向ける。 その先には、なおも壁に張り付いているヴェルダンデのぬけがら………が? 抜け殻が、ふるふると震えている。 小刻みに、そんなばかな、抜け殻は抜け殻のはず。羽化したヴェルダンデは飛び去った、動くはずがない。 しかし動いているそれが現実。次第には抜け殻の頭の上にくるんと白く光る輪が浮かび上がる始末だ。 それはその抜け殻が既に死んでいると証明する、数多の画家が『幽霊』を想像するときに与えたエンジェルリング。 ぱきぱきと音を立て、抜け殻の背中が翼のように広がる。 そしてゆっくりと壁を離れ、まるで幽鬼のようにゆったりと振り返った。 ふわふわと空中を漂う煙のように、抜け殻はギーシュに向かい合う。 虫の表情を汲み取ることなど、ギーシュには出来ない。 それ以前に、抜け殻が動く事など想像だにしていなかった、言葉も出ない。 ZiiiNN。 抜け殻が小さく鳴いた。 そう、四対二だ。 ただの抜け殻に過ぎなかったそれに魂が宿る。 それが、そう言うモノだと言うことをギーシュ達は知らなかった。 相変わらずその抜け殻の中は空洞だ、だが宙に浮いてギーシュに向かい合うそれは紛れもない現実。 ギーシュがおそるおそる手を伸ばしてそれを抱き上げる。 飛び去ったヴェルダンデと体長こそは一緒だがずいぶん軽く感じた。 常に背負っていた幼虫の頃と比べても、とても軽い。 「小癪な。殺す数が一体増えただけだ」 ワルドが憎々しげに言ってウィンド・ブレイクを放つ。 それを相殺したのがウェールズだった。 ワルドは風のスクウェア、ウェールズは風のトライアングル。 クラスこそは劣るウェールズだが、遍在によって精神力を裂いているワルドの魔法を防ぐことぐらいは可能だった。 ☆★ ふぅ、と小さく息を吐いて、ギーシュが言った。 「ルイズ下がってくれたまえ。ここはぼくと殿下。そしてこの………」 抜け殻をみて言葉に三秒ほど詰まったが、続けて言った。 「ヴェル……が引き受ける。君は何も心配しなくて良い。お茶でも飲んで……あぁここにはなかったね」 己を無視するような言い方に、二人のワルドが激昂して魔法を放つ。エア・カッターだ。 ウェールズはそれを相殺。そして抜け殻、ヴェルがギーシュの前に躍り出て向かい合った。 『まもる』 鋭い風の刃は、薄いその殻をいとも絶やすく裂くだろう。だれもがそう思った、ギーシュですらそう思った。 しかしそうはならなかった。ヴェルは無傷、一瞬ヴェルのみを守る薄い何かが見えたのは、錯覚だろうか? ヴェルは爪を持ち上げることすらもしない、ただ幽霊のようにその場に浮いているだけ。 ギーシュがヴェルの体をつつくと、コツコツとしてはいるモノの、抜け殻の域を出ない、相応のモノだ。 火が付けば燃えてしまうだろう。岩に当たれば潰されてしまうだろう。風に吹かれたら飛ばされてしまうだろう。 ならば、そうだ………錬金は使えるだろうか? 生き物、有機物には使えない錬金だが、抜け殻となってしまえばそれは後は土に還るのみのはず。 ギーシュの心は決まった。 薔薇の造花の杖を軽やかに振り、土系統の初歩の初歩の初歩『錬金』を己の使い魔。『抜け殻』のヴェルにかけた。 ひゅんひゅんひゅんひゅんひゅんひゅんひゅんひゅんひゅん…………。 際限なく繰り広げられる空気を裂く音、大空を縦横無尽に飛び回るのは、ヴェルダンデ。 いや、抜け殻が『ヴェル』ならば、こちらは『ダンデ』とギーシュは呼ぶだろう。 もはや戦況の打開は不可能の域にまで達している。 一体何処からおかしくなったのか、三体の遍在はボロボロになったその身で必死で考える。 対峙していた、その時までは良い。赤い複眼に睨まれた、そこもまだ良い。 動き出してからが異常だった。最速、最高、最強を自負するその風が、動き回る蝉の動きを捕らえられないなど! 有り得ない、有り得ない事態にワルドの頭は混乱している。 その光景を、キングも驚いた様子で見つめている。その紅い瞳をきょろきょろと必死で動かし、ダンデの動きを捕らえようとしていたのも、ついさっきまでのこと。 捉えるのを諦めキングはみるみる内に裂傷が増える三体のワルドの様子だけを見ていた。 「くそっ、くそっ、ふざけっ、ふざけるなっ! 僕は『閃光』のワルドだぞ! 風のスクウェアメイジのこの僕が、たかが虫けら如きにいいいィィイイイッ!!」 ワルドが『閃光』とするならば。ダンデに付けるとするならば『加速』だ。 そう、加速。速くなること、それこそがダンデの持つ力の真髄、そしてあらゆる力を凌駕する最も強きモノ。 速く、もっと速く、速く、速く、速く速く速く速く! 「クソッ」 もはやワルドに出来ることは悪態をつきながら魔法を無駄打ちすることしかできない。 『かげぶんしん』 視界に見えるダンデの数はすでに20を超える。 それらの中で本体は一つだけ、しかし本体は常に動き回っている、判断する術もない。 スクウェアたるワルドですら、その速さを捉えられない! パン……バン………パンッ。 空気中に弾けるよな異音がワルドを襲う。 そうそれは瞬間的だが音の壁を突き抜けるときの音。 まったく捉えられず、増え続けるダンデの姿。 そして次第に鋭く、重く、強くなるダンデの攻撃。 遍在が一つ、切り倒された。 慌ててワルドは己の使い魔、グリフォンを口笛で呼んだ。 ☆★ 薄き茶褐色の体が、ゆっくりと輝き始める。 みるからに硬質化していくのが傍目にもわかる。 背中に広がった羽にその硬化の侵蝕は襲い来る。 しかしそれを被っているヴェルは、涼しげな顔でふよふよとういているだけ。 もっとも、抜け殻でしかないヴェルの表情は読み取れるようなモノではなかったが。 全身を金属質な輝きが覆いきったとき。ギーシュは確かな手応えを感じた。 土と土。二つの属性を足すことで可能になる『クロガネ』の錬成だ。 クロガネは手軽で重く、そして硬い。 さまざまな雑貨に使われるのは、耐久性の高さと手軽さがその理由だ。 クロガネはその硬さのイメージが必要なのだが、それでも土のラインメイジで可能なレベルなのだ。 ZiiiiiiN。 その鳴き声は、歓喜に満ちあふれていた。 ワルドは無言でウィンド・ブレイクをはなつ。 しかしそれはもはやヴェルに取ってはおそるるに足らぬ攻撃になった。 抜け殻となり、そして魂が宿り再び活動が可能になったこの身。 その体には、今。ふしぎなまもりが取り巻いている。 ☆★ 不思議な不思議な生き物。 動物図鑑には載っていない。 ポケットモンスター。縮めて『ポケモン』 この世界には存在しなかったはずの異質な生き物。 小箱から『技』を覚え、そして時を経てその体を別のモノへ『進化』する。 かつての世界には全てのポケモンにはルールがあった。 『タイプ』と言われる。一種のポケモンにつき。最大二つまで付加される『属性』に良く似た概念。 覚えられる『技』は最大四つ。そして各々に一つだけ保有する『特性』と言う能力。 しかし今いるこの場所では、そのルールは通用しない。 本来彼らが持つスペックと、能力が遺憾なく発揮される。 加速、プラス、複眼。 それがグリフォンを打ちのめすダンデに備わった特性。 徐々に速くなる、そしてその速さを持ってしても確実に相手を捉えるその命中力。 不思議な守り、プラス、耐熱。 それがワルドの攻撃を防ぐヴェルに備わった特性。 弱点以外の攻撃の全てからその身を守る、そして弱点たる炎に対する耐久力。 人の反応速度を上回る攻撃速度と、並外れた命中精度。 全ての弱点をカバーし無効化する、桁外れの防御性能。 いまここに。最強の矛と、無敵の盾が誕生した。 ☆★ 「嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だっ!!!!」 半狂乱になってエアカッターを放つ二体のワルドだが。それは立ち塞がるヴェルの体によって悉く阻まれる。 何かをしている様子など無い。 ただ常にワルドからの攻撃を遮るようにふよふよと浮かんでいるだけ。 しかしワルドの攻撃は全てヴェルの眼前で弾けるように消滅する。 「なにが……起こってるの?」 唖然としてその光景を見ている三人だったが、ルイズが耐えきれずに発言した。 驚くことが多すぎて、もはや唖然とするしかなかったが、目の前で繰り広げられる光景は群を抜いていた。 鋭く研ぎ澄まされた風の刃が、ワルドの放つ風の攻撃が一つ残らず防がれて消されている。 余波すらも後ろに届かない。 その時、まったく動く様子の無かったヴェルがゆっくりと前進する。 今が三人に向かって攻撃するチャンスだったのに。ワルドはあろう事か己の魔法の全てを防がれたことに恐慌して後じさった。 「ひっ……く、くるな、くるなくるなくるなっ!」 精神力の限りにエア・カッター。ウィンド・ブレイク。エア・ハンマーを放つが、全くの徒労に終わる。 もはや今のヴェルを傷つける事が出来るモノなどこの世に存在しない。 「ひっ……」 その時、外の戦闘が終わったのがわかった。 そしてその直後、礼拝堂の天井をぶち抜いてグリフォンが落下してきた。 全身はズタズタ、右の翼は中程から斬り飛ばされ。左前足は手首、右後ろ足は膝の位置から切断されていた。 ZIZIZIZIZIZIZIZZIZIZIZIIZIZIZ。 ぶち抜かれた天井から、青空と白い雲を背景にしてダンデが顔を覗かせている。 落下の衝撃で埃が舞い、グリフォンは小さく鳴いた後、力尽きた。 アラート。ワルドの魂が警鐘をならす。 天井から視線を正面に向けると、ギーシュの隣に既にダンデは居た。 降ろす前までは確実に屋根の上にいたのに。速すぎる。 上から下へ、ただそれだけ首を動かすよりも速いなどと。 もはや、ワルドの頭の中にはウェールズの命とか、ルイズの持つアンリエッタの手紙など毛頭にもなかった。 ただ、悪魔の如きこいつらの前から、逃げ出したかった。 そうと決めるや、行動は有り得ないくらい速かった。 残された二人のワルドの内、一人が一歩前に出たかと思うと、その体が爆散してとてつもない突風が狭い礼拝堂に吹き荒れる。 ダンデはそれに吹き飛ばされ、ヴェルは何もなかったかのように平然と浮かんでいる。同一の存在だったとは思えない対称的な反応だ。 みんなが突風に顔を覆い、そしてそれが止んだときには、そこにはワルドの姿は無かった。 外に出るが、そこにも既にワルドの姿はなかった、完璧に逃げてしまったようである。 ルイズの姿を認めると、キングが嬉々として降りてきてすり寄る。ルイズはそれをいつものように両手を広げて迎えた。 「よく我慢したわね。偉いわキング。あなたが攻撃したらわたし達きっと潰されてたもの」 褒められていることがわかるのだろう、キングはいつもにましてすり寄っている。 そんなキングの様子にルイズも満足そうに笑みを浮かべ、優しく撫でている。 「うおっ」 唐突に背中に乗った重さにギーシュは変な声を上げる。 「ヴェルか……鉄だと重いね、今すぐ戻すよ」 そう言って再度錬金の呪文を唱えると、ヴェルの金属質な輝きが失せ、抜け殻に相応しき褪せた茶褐色に戻る。 「行くわよ。ギーシュ」 キングの背に乗ったルイズがギーシュに手を伸ばす。 「あぁ……そうか、もう行くのかい。アンリエッタによろしく頼むよ」 ルイズの言葉にウェールズが察して伝言を頼む。 そしてその指から風のルビーを抜き取ってルイズに渡す。 「コレは………?」 「私から君達へのお礼だ。ありがとう。例を言っても言い尽くせないな……」 アンリエッタからの思いを伝え、そして今ワルドからも命を救われた。 遠く怒号と砲撃音が聞こえる。もう既に戦は始まって居るみたいだ。 「私も行かなくちゃならない。私が居なくては彼らに申し訳ないからね」 皇太子が、リーダーたる彼が居ないのでは王軍は瞬く間に負けてしまうだろう。 そう言ってウェールズは踵を返そうとするが。それの手をギーシュが掴んだ。 「行くのならこちらから速いですよ。殿下」 ギーシュの言葉にルイズが頷く、そしてキングはしっぽをウェールズの目の前に差し出した。 「………あぁ、お言葉に甘えさせてもらうよ」 ウェールズを乗せると、キングはゆっくりと浮かび上がった、そして、なぜか戦の始まっている場所ではない方角へと向かい始めた。 それに驚いたのはウェールズだった。 「ど、何処へ行くんだい? 戦場はあっち……」 「先約を先に済ませることをお許し下さい、殿下」 ウェールズの言葉にルイズが陳謝する。 「先約?」 「ワルド……いえ、裏切り者はわたしの使い魔を侮辱しました……そしてウェールズ様を。アンリエッタ姫殿下を。我が祖国を、侮辱しました。その報いを、受けさせます」 ルイズの隣では、ダンデがキングに捕まることなく同じ速度で走っている。 そしてダンデは、その爪でキングの蒼い鱗をトントン、とノックした。 『バトンタッチ』 キングの飛行速度が一瞬で加速。ウェールズが振り落とされ、ダンデが拾いに行った。 ☆★ かろうじて残った精神力でフライを唱え、ワルドは一目散に逃げる。 虫けらにコケにされた屈辱は心の中でメラメラと燃え続け、その瞳は激情に歪んでいる。 「この『閃光』をコケにして………ゆるさん、ゆるさんぞ小僧。必ず八つ裂きにしてくれる。そしてルイズ、ルイズ貴様もだ。四肢を引き裂いて慰み者にしてくれる!」 だが今は無理だ。まずは帰って傷を癒さねばならない。 ワルドの頭の中では、どうやってルイズらを痛めつけるかを周到にシュミレーションしていた。 それはとても残虐で、どす黒く、邪悪の極みに達そうとしていた。 そう、それが『不可能』であると言うことを除けば。 蒼い竜の姿を遥か彼方に確認できたその時、ワルドは森に紛れて逃げようと下降し始めた。 ところが、キングから青白い光線が発射され、それは外れることなく命中する。 あんな遠いところから、しかし距離など関係なかった。 狙うモノが決まっている以上、見えてさえ居るならば、『こころのめ』は敵を捕らえて逃がさない。 蒼い光はワルドの足に当たり、瞬く間に氷に包む。 人体の70%は水、冷気を当てられたら即座に凍る。 「しまっ………」 ラ・ロシェールで手合わせした際に、キングが放った蒼い光線だ。 『れいとうビーム』 氷は既に腰、腹、胸へと達しようとしている、しかもワルドはフライを唱えて空を飛んでいるため他の呪文を唱えられない。 「ばか………な………ルイ……ズ……僕は……君………の……婚…約…者……に……」 瞬く間に氷は手の指先、そして頭のてっぺん、髪の毛、帽子に至るまで包み込んだ。 「ワルド子爵。君には足りないモノが多すぎた」 薔薇の杖を振って、ギーシュは言った。 「子爵。貴様に足りないモノ。それは、情熱思想慧眼気品計画性将来性包容力優雅さ思慮深さ。そしてなによりも………」 頭の先から足のつま先まで凍り付いたワルドは、フライの効力が切れて落下しようとする。 そのワルドへキングは追いつき、ぐるんと体をねじらせ、打ち砕いた。 ワルドだったモノはその衝撃で粉々になり。はるか眼下、森の中へと落下していった。 溶けた後は森の獣の食料になることだろう。 「速さが足りない」 そう、逃げるなら逃げるだけの速さが圧倒的に不足していた。 「さよなら、ワルド……」 粉々になったワルドに向け、ルイズはほんの少し寂しそうな顔をしたが、涙は一切見せなかった。 そしてぐっと前を向いて、キングを戦場へと飛翔させる。 「………ミス・ヴァリエール……ミスタ・グラモン……」 裏切り者とは言え、共に旅をしたワルドへの無慈悲な一撃に呆然としながら、かろうじてウェールズはそう言った 「裏切り者に制裁を与えるのは当然のことだと存じ上げます、ウェールズ皇太子殿下」 ギーシュの言うとおりだ。ウェールズはそれ以上何も言えなくなった。 キングの飛行速度は他を圧倒していた。しかしそれに追従するダンデも相当なモノだが。 眼下に戦場を望み。ウェールズは礼を述べて飛び降りようとする。 しかしその手を取ってルイズは制した。 「ウェールズ様………わたし、一生懸命考えたんです………他の人に迷惑をかけられないとか。王族の誇りを見せつけるとか、それは殿下にとっては大切なのかもしれません。 ですがそれでも、姫様の思いをわたしは優先させます。殿下、わたしは殿下を必ず姫様の元へ連れていきます」 真摯な目で見つめられ、ウェールズは非常に驚いた様子を見せたが首を振った。 「ありがとう……だけどダメなんだ。彼らを見捨てることは出来ない」 「では、勝てばよろかろうなのですよね?」 「……何?」 ルイズから発せられた言葉を、一瞬ウェールズは信じられなかった。 勝つ?王党派は300。貴族派は50000、どうしたらそんな兵力差を埋められるというのか。 「キング………好きなモノを使いなさい。でもすこし手加減、してね」 ルイズの言葉にキングは従う。そして、口の中に収めていた小箱を、四つ同時に起動させた。 「わざマシンを起動します………中には『あまごい』が記録されています。『あまごい』をポケモンに覚えさせます。よろしければもう………」 「わざマシンを起動します………中には『かみなり』が記録されています。『かみなり』をポケモンに覚えさせます。よろし………」 「わざマシンを起動します………中には『ふぶき』が記録されています。『ふぶき』をポケモンに覚えさせます。よ………」 「わざマシンを起動します………中には『じしん』が記録されています。『じしん』をポケモンに覚えさ………」 「『あまごい』をおぼえました」 「『かみなり』をおぼえました」 「『ふぶき』をおぼえました」 「『じしん』をおぼえました」 前ページ次ページゼロの登竜門
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サーバMIの部屋の画像一覧です。表情は台詞によって変化します。 ※重くなるのでリンクは貼っていません。コスチュームの詳細は名称で検索して下さい。 ◆萌えcanナビ嬢の部屋へ戻る ◆他のサーバMIの画像 【頭】 エンゼルラビット オレンジ【服】 エンゼルクルーラー オレンジ【壁】 MCCランド 昼 【頭】 エンゼルラビット ショコラ【服】 エンゼルクルーラー ショコラ【壁】 ウェディングパレス 輝天 【頭】 エンゼルラビット グレープ【服】 エンゼルクルーラー グレープ【壁】 ガールズルーム 【頭】 エンゼルラビット シュガー【服】 エンゼルクルーラー シュガー【壁】 リゾート 昼 【頭】 エンゼルラビット ローズ【服】 エンゼルクルーラー ローズ【壁】 憧れマイショップ 朝 【頭】 エンゼルラビット ディープ【服】 エンゼルクルーラー ディープ【壁】 和風茶店 夕 【頭】 エンゼルラビット ドロップ【服】 エンゼルクルーラー ドロップ【壁】 お花畑 昼
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◆萌えcanガチャに戻る 【おまけ付き期間】 ガチャを引くと、消費アイテムやイベントアイテムなどのおまけが付いてくる期間があります。 無料ガチャ券でも可。 その時々で通常・お手軽・両方と変わるようです。 【期間】 old↑new↓ 期間 詳細 2012-02-09 ~ 2012-02-31 サン太郎、ネカセル君、イベントアイテム など 2012-03-19 ~ 2012-03-28 スターティアラ、サン太郎、ネカセルくん、医療ロボ、勤勉娘5、仕事娘5、仕事娘30、福袋 モエン など 2012-04-06 ~ 2012-04-12 フェイスペイント、サン太郎、ネカセルくん、医療ロボ、勤勉娘5、仕事娘5、仕事娘30、福袋 モエン など 2012-04-27 ~ 2012-05-15 ルナティアラ、サン太郎、ネカセルくん、医療ロボ、勤勉娘5、仕事娘5、仕事娘30、福袋 モエン など 2012-05-15 ~ 2012-05-19 ルナティアラ、ニャーニャーペイント など 2012-06-15 ~ 2012-06-18 バタフライダンス など 2012-09-20 ~ 2012-09-26 2012-10-04 ~ 2012-10-06 ワイルディーマント、ワイルディードラゴン 2012-10-12 ~ 2012-10-14 フェアリーサークレット、フェアリーローブ 2012-10-19 ~ 2012-10-22 【限定アイテム一覧】 頭 スターティアラ 黄 スターティアラ 緑 スターティアラ 銀 スターティアラ 黒 スターティアラ 紫 スターティアラ 青 スターティアラ 赤 スターティアラ 翠 画像 顔 フェイスペイント青 フェイスペイント赤 フェイスペイント黄 フェイスペイント紫 フェイスペイント黒 画像 頭 ルナティアラ 金 ルナティアラ 黄緑 ルナティアラ 銀 ルナティアラ 黒 ルナティアラ 紫 ルナティアラ 青 ルナティアラ 赤 ルナティアラ 緑 画像 顔 ニャーニャーペイント 赤 ニャーニャーペイント 緑 ニャーニャーペイント 青 ニャーニャーペイント 桃 ニャーニャーペイント 白 ニャーニャーペイント 黒 ニャーニャーペイント 茶 ニャーニャーペイント 紫 画像 顔 バタフライダンス赤 バタフライダンス緑 バタフライダンス青 バタフライダンス桃 バタフライダンス白 バタフライダンス黒 バタフライダンス黄 バタフライダンス紫 画像 頭 フェアリーサークレット 桃 フェアリーサークレット 紫 フェアリーサークレット 赤 フェアリーサークレット 水 フェアリーサークレット 青 [003] フェアリーサークレット 桜 フェアリーサークレット 緑 画像 imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (head_gc_003_01.gif) 服 フェアリーローブ桃 フェアリーローブ赤 フェアリーローブ緑 フェアリーローブ黄 フェアリーローブ白 フェアリーローブ紫 フェアリーローブ黒 フェアリーローブ橙 画像 背 ワイルディーマント赤 ワイルディーマント茶 ワイルディーマント黒 ワイルディーマント青 ワイルディーマント紫 ワイルディーマント水 ワイルディーマント緑 ワイルディーマント白 画像 他 ワイルディードラゴン 橙 ワイルディードラゴン 赤 ワイルディードラゴン 黄 ワイルディードラゴン 青 ワイルディードラゴン 紫 [006] ワイルディードラゴン 黒 ワイルディードラゴン 白 画像 imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (other_gc_001_01.gif) 【不具合】 ◆発生時 2012-05-01 4月27日に開始したオマケガチャの終了期間の告知ミス。 《補償内容》 5月15日メンテナンス時にガチャチケット1枚付与。 オマケガチャキャンペーンをメンテナンス後に復活。 コメント一覧 バタフライダンス黄がでました。 -- (名無しさん) 2012-06-18 10 23 46 [001]フェアリーサークレット 紫 [002]フェアリーサークレット 赤 [004]フェアリーサークレット 緑 [005]ワイルディーマント 水 です。 -- (名無しさん) 2012-11-07 01 21 11 情報ありがとうございます! 助かります…。更新しました! -- (福) 2012-11-07 03 08 00 名前 コメント すべてのコメントを見る
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こちらでは、初心者の方がアイドレスを楽しむためにルールを覚えたり、アイドレスを作成するための補助となるものを置いていく予定です。 【藩国向け・仮アイドレス作成のしおり】 作成者:セタ・ロスティフンケ・フシミ 星鋼京のフシミ藩王が自国向けに作ったしおりです。 例として挙げられているものは星鋼京固有のものが多いですが、基本の考え方はかなり参考になると思います。
https://w.atwiki.jp/aimi-mcc/pages/839.html
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